片思い・不倫…男女関係に悩んだときに読みたいおすすめの小説5選
辛い恋、報われない恋…男女関係で行き詰まったとき、意外と役に立つのが小説。
登場人物の言動やストーリーの一文が、「これからどうするべきか」のヒントになることがあるのです。
今回は、恋愛に悩んでいるあなたにぜひ読んでほしい、おすすめの小説を5冊ご紹介します。
両想いだけが心満たす恋愛ではない
もう一度、恋をすることに前向きになりたい…と思っている人におすすめの小説、尾形真理子著「試着室で思い出したら本気の恋だと思う」。
男女関係のゴダゴダや恋愛に臆病な5人のアラサーの女性が、運命の一着とめぐり合うことでポジティブな気持ちを取り戻していく、オムニバス形式の一冊です。
圧倒的に片思いで悲劇的な状況でも、主人公の女性たちはみんな「恋すること」を否定しない清々しさを持っています。彼女たちの前向きな姿勢は、きっと「片思い=切ない」という概念を覆してくれます。
コピーライターでもある作者の生み出す文章は、とてもキャッチーでスタイリッシュ。本が苦手な人でもサクサク読めるので、おすすめです。
男らしくかつ女らしい女性の一生とは
工藤美代子著「宇野千代伝 恋づくし」。
数々の著名人と浮名を流した元祖・肉食女子とも言える作家、宇野千代の男女関係にスポットをあてたおすすめの一冊です。
恋におちたら一途に愛し、別れは潔く受け入れる…。
どれだけ恋に破れても本能の赴くまま、また恋に落ちる彼女の生きざまを知れば、きっと「あぁ、恋って自分の意思に関係なく落ちてしまうものなんだ」ということがわかります。
恋と仕事に全力投球した宇野千代の一生は、どんな男性よりも男らしく、どんな女性よりも女らしいと思わずにはいられません。そして、女性の生きる原動力、それはやっぱり「恋」なのです。
辛い恋だって、愛しきったら「思い出」になる
続いておすすめするのは、島本理生著「ナラタージュ」。
高校男性教師と女生徒という関係だった葉山と泉。時を経て二人は再会。お互い惹かれあい、求めあい、愛をはぐくむ二人だけれど、葉山には奥さんがいて…。
報われないと知りつつも、ただ一途に葉山を思い続ける泉の純粋さに心打たれる名作です。
どれだけ辛く切ない思いをしても、許されない男女関係だったとしても、時が過ぎればきっと「あんなこともあったね」とほほ笑み交じりで話せるんだ。そして、気持ちが強ければ強いほど、思い出は美しくなるんだ…と言うことを教えてくれるストーリーです。
小説のタイトル「ナラタージュ」とは、劇などで主人公が過去の出来事を回想することを意味します。
このタイトル通り、泉は、葉山への思いを「永遠の愛」として心に刻みます。今現在どれだけ涙を流しても、心が張り裂けそうになっても、いつか必ずその日々が愛しく思える時は来るのです。
事実を受け入れたとき、人は成長できる
恋愛小説の名手、江國香織著「きらきらひかる」。
主人公の笑子はアルコール中毒かつ情緒不安定。お見合いの席で出会った同性愛者の睦月とは、お互いの事情を理解したうえで「気ままで都合のいい結婚」をします。
睦月には笑子公認の紺と言う恋人がいます。3人の奇妙で気ままな男女関係はずっと続くはずでしたが、やがて笑子は睦月に恋していることに気付きます。一番近くにいるはずなのに、心の距離は遠い睦月。行き場のない気持ちを抱えた笑子は切ない日々を過ごすのです。
最終的に笑子は「愛する睦月を完全に自分のものにはできない」という事実を受け入れます。時として恋愛は、目を背けたくなるような悲しい結末を運んでくることも。しかし、その現実をしっかり受けとめることで、人として、女性として成長できるのでは、と思います。
ただ感情のままに誰かを愛する、ということ
小手鞠るい著「欲しいのは、あなただけ」は、主人公のかもめが「男らしい人」「優しい人」、2つの恋愛をそれぞれ振り返る形で物語が進行。
かもめは「男らしい人」をただ欲し、妻子ある「優しい人」をただ待ち続けます。 かもめの一途な思いは強烈で、ある種猟奇的とも言えるほど…。
「自分自身の生きた証」と称する二つの恋愛を振り返ったのち、かもめの心に去来するものはいったい何なのでしょう…。
決してスマートとは言えない彼女の男女関係。でも、ここまで激しく誰かを愛することのできるかもめに共感する人は、きっと多いはずです。
まとめ
恋をする前、恋をしている真っ只中、そして、恋が終わった直後…。恋愛の節目であなたの心にまっすぐに訴えかけてくれる小説があります。恋愛で行き詰ったとき、男女関係の難しさを実感したとき、今回おすすめした小説を手にとって、ページをめくってみてください。きっとそこに、あなたの求めていた答えが見つかるはずです。