現職と転職先でボーナスを受け取るコツ

給与・ボーナス

ボーナスを両方受け取るスケジュール

12月が前職のボーナス支給時期なら、引継ぎに1カ月かけたとして2月入社が最短です。転職先のボーナスが6月の場合、夏のボーナスでは査定期間が短くて期待できなくても、冬のボーナスでは一定の金額を受け取ることができるかもしれません。
これは、転職先の会社の査定期間が夏の査定期間が前年10月〜3月、冬の査定期間が当年4月〜9月だったとすると、2月入社と4月入社ではボーナスの支給に差が出るということです(試用期間がある場合)。

だからと言って、ボーナスばかりにこだわることはリスクにもなります。転職先には確実に入社できる日を提示することが大切です。就業規則で「退職は1カ月前までに申し出ること」等の規定が設けられ、すぐに辞めることができないこともあります。

大企業は別として、中小企業はギリギリの人員で会社を回していることが多いもの。あまり窮屈なスケジュールだと予定どおりに退職できない不安があります。
会社が中途採用を行う場合、人手不足が募集の理由であることがほとんどです。いつ入社できるかで採用の最終的な判断を下すこともあるほどです。

内定が出てから入社まで待ってもらえる期間は長くても3カ月。現職のボーナス支給を優先して入社日を延ばすと、採用を見送られるリスクもあると認識しておきましょう。

余裕をもった転職をするには

ボーナス支給後すぐに退職願いを提出しても、何ら問題はありません。査定期間から実際にボーナスを受け取るまでに時間がかかることがほとんどです。ですから、それまでの期間、誠心誠意仕事と向きあい会社に貢献したという自信があるのであれば、退職を決めていたとしても「ボーナスは今まで頑張って働いてきた当然の権利」としてとして堂々と受け取ればよいと思います。

とはいえ、ボーナス支給後すぐに退職となると、「ボーナスのもらい逃げ」と評判が立つかもしれません。後ろ指をさされることを避けたいのであれば、ボーナス支給後から1週間~2週間程度経ってから退職届を提出し、周囲に悪印象を残さないように計画しましょう。
引き継ぎや有給の消化まで計画に入れるなら、実際の退職日を2カ月程度先に設定しておくと安心です。余裕をもった転職をするには、前もって引継ぎノートを作るなどして準備を進めることをお勧めします。

この他、日ごろから毎月の給料の中で生活を行い、ボーナスをあてにしない家計管理をすることも、慌てて推し進めずにすむ秘訣です。仕事のことだけではなく、家計の計画もしっかり立てることで、スムーズな転職ができます。

まとめ

ボーナスをできるだけ多く受け取りたいという気持ちはわかりますが、現職の仕事の引き継ぎトラブルのないように転職をすることがビジネスマナーです。支給条件を確認し、計画を立てて退職届を出しましょう。
立つ鳥跡を濁さず。周囲に快く送り出してもらえるよう、最後まで会社の一員として役割を果たしましょう。

辻本 由香

CFP、おふたりさまの暮らしとお金プランナー 企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得るこ...

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