奨学金は繰り上げ返済した方がおトク? 返済プランの立て方をFPが解説

貯金・家計

繰り上げ返済は家計全体で考える

早い段階で奨学金の返済が終われば、その後のライフプランや資産形成プランなど立てやすくなります。
しかし、繰り上げ返済すると、まとまったお金が手元からなくなります。一度返済してしまうと戻ってくることはありませんので、慎重に考えてから行うようにしましょう。

そのためにも家計の管理が重要になります。
必要なお金は、

  1. 生活するために必要なお金
  2. 緊急なことがあったりしたときの予備のお金
  3. 将来にむけた貯蓄や資産形成のためのお金

など大まかに分けておいて、さらに繰り上げ返済などの目的のお金を準備します。

どのくらいの金額なら繰り上げ返済用に準備できるか、家計全体のバランスを考えて準備しましょう。
繰り上げ返済をしすぎて、欲しいものをローンで購入するようなことになってしまってはローンの金利がかかり、繰り上げ返済をする意味がありません。

奨学金貧乏の現状

奨学金は将来の収入を得るための投資として借りるお金です。学生本人に返済の義務があります。
しかし、近年では奨学金の返済ができず滞納してしまっている人も多いようです。

日本学生支援機構の「2018年度債権管理・回収等検証委員会報告書」によると、前年度までに返済期日が到来している延滞分の回収率はわずか17.5%で、延滞している人の多くが返済できていないことがわかります。

また、「2017年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」の延滞の理由をみると、本人の低所得が一番多く、ついで延滞額の増加があります。
将来払えると思って借りた奨学金が、生活を圧迫することになる可能性もあるのです。奨学金は、借金であるということしっかりと理解した上で借りるようにしましょう。

まとめ

借金は早めに返してしまいたいと思いますが、その結果生活を圧迫するようなことがあっては逆効果になってしまいます。必ずしも繰り上げ返済することがいいとは限りません。
繰り上げ返済するのかどうか、残りの返済年数と、貸付利率などのバランスを考えてから決めるようにしましょう。

黒須 かおり

ファイナンシャルプランナー CFP® 女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識...

プロフィール

関連記事一覧