投資信託の仕組みとは?ファンドマネージャーの役割についても解説

ファンドマネージャーとは?
それでは、投資を任せることになるファンドマネージャーとは、どういったものなのでしょうか。以下に、ファンドマネージャーの仕事内容や方法、またどのような人がファンドマネージャーになっているのかについてご説明していきます。
ファンドマネージャーの仕事内容
ファンドマネージャーとは、金融資産を運用する専門家のことです。投資信託運用会社のほか、信託銀行や保険会社などの運用会社や金融機関に所属しています。
投資家から集めた金融資産をうまく運用するために、株価や金融情報などのデータやポートフォリオの状況のチェック、市場や証券会社からの情報収集、会社訪問による調査や個別企業の分析、それらに基づいた投資先の決定などを行います。
運用の方法ですが、具体的には投資方針に沿って資産配分を決め、ポートフォリオを作成し、分散投資を行います。経過を常に観察し、そのポートフォリオが最適であるかを判断して必要に応じて組み替えながら、期待した運用効果を出せるように働きかけます。
ファンドマネージャーとはどんな人か
投資信託において重要な役割を果たすファンドマネージャーは、どのような知識を持った人なのでしょうか。
まず、ファンドマネージャーが所属している金融、投資系の会社に就職するには大学卒業が前提となりますが、常に経済情報に敏感でなければならないことから、経済学部出身者が多くなっています。
ただし、無事に就職を果たしたところで、すぐにファンドマネージャーになれるというわけではなく、初めは調査部門などで経験を積む必要があります。
一方、特定の資格がなければファンドマネージャーになれないという決まりはありません。しかし、多くの投資家の資産を運用する専門家として、持っていたほうが良い知識や資格はあります。それは「証券アナリスト」「日商簿記」「TOEIC」などです。
「証券アナリスト」は日本証券アナリスト協会の通信講座を受講、受験することで得られる民間資格です。勉強することにより、証券投資の分野における専門的な知識を身につけることができ、世界のマーケットや株式、債券市場の動きを分析し、投資に関する助言や管理をするプロとして活躍できるようになります。こういった投資における知識や技術を習得しているファンドマネージャーだからこそ、安心して運用を任せることができます。
「日商簿記」はファンドマネージャーが株式を投資商品に組み込む場合に不可欠となる、企業の経営、財務状態への分析力を身につけるための資格です。
「TOEIC」は英語を聞く、読む力を判定する試験であり、資格ではないですが、海外のレポートを読んだりニュースを聞いたりして、市場状況を分析する必要のあるファンドマネージャーにとって英語は、必要な能力のひとつでしょう。TOEICは合格、不合格ではなく、スコアによって判定されます。ファンドマネージャーは日常会話程度のコミュニケーションだけではなく、投資に関わる専門用語の理解が必要とされるため、AからEまであるTOEICスコアのうち、最高スコアAである860点以上取得しているファンドマネージャーだと安心して任せられるでしょう。
ファンドマネージャーの役割を理解しよう
以上のように、投資信託は専門家に運用を任せることのできる投資方法ですが、資産を預ける以上、どういった仕組みで成り立っているのか、どのような機関がどういう役割を持っているのかについても、知っておく必要はあるでしょう。そして、運用を任せるファンドマネージャーがどのような知識を持ち、経験を積んでいるのかということをわかっていれば、より安心して投資信託を始めることができるのではないでしょうか。
執筆者:C・M
監修者:ファイナンシャルプランナー歴5年 北野小百合