アメリカの利上げでなぜ円安が進んだ?米国の金融政策を担う「FRB」「FOMC」とは

アメリカの利上げでなぜ円安が進んだ?米国の金融政策を担う「FRB」「FOMC」とは
マネーケア

FRBは利上げを実施、では日本は?

FOMC(連邦公開市場委員会)は2022年3月16日にインフレ(物価上昇)を抑制するために、利上げに踏み切ることを決めました。それまではウクライナ侵攻の見通しが不透明で、FRBのパウエル議長が1月に3月の利上げ開始を示唆してことで、取引が手控えられていました。そうした中、3月のFOMCの声明が市場の予想にほぼ一致したことで、NYダウは500ドルを超え、主要な株価指数も高値圏で取引を終えました。パウエル議長は記者会見でインフレ退治の強い姿勢を見せ、景気を多少減速させても、インフレを抑えることを優先するという印象が投資家から信頼を得た形となりました。

日本の日経平均株価、TOPIX、NYダウ、SP&500を比較して見ても、3月16日以降の株価は、安心感からか上昇基調に転じています。

●主な株価指数の動向

※Yahooファイナンスより引用

日本では、日銀が超低金利政策を維持する姿勢を貫いていることから、日米で金利差が拡大するという見方がされ、円安・ドル高を加速させています。このまま円安が進んでいくと、外国から食料や資源を輸入している日本では、物価上昇を通じて国民の生活を圧迫することも考えられます。諸外国では利上げが行われていますが、日本で利上げが起こるとどんな影響があるのでしょうか。

日本では利上げによって、心配する事態が増えるのではないかと予想されます。

まず個人では、住宅ローンの返済負担が増える人が出てきます。変動金利型と固定金利期間選択型を選んでいる場合には、利上げの影響を受け、利息が増えます。さらに企業では活動が抑制され、借金が増えることによって倒産が増えると考えられます。コロナ禍のために金利ゼロ、担保ゼロで融資していたものが元本の返済が始まると、利上げによってさらに厳しいものになってきます。

もっと大変な状態になるのは、国の国債の利払いです。2022年度国家予算では、総額107兆5964億円で、国債の元利払いに充てる国債費は、2.4%増えて24兆3393億円にものぼります。利上げで国債の利払いが増えると、財政が一段と苦しくなることは明らかです。足元の実体経済がよいわけではないので、原油高、資源高により物価が上昇すれば、利上げが景気をますます悪くすることに働くことになります。

このように日本では、諸外国のように利上げに踏み切れない背景があり、今後の日銀のかじ取りが注目される局面にきています。

なお、米国の利上げは、景気減速につながりますので株価にとってはマイナス材料です。利上げが進むとともに株価も緩やかに(もしくは急激に)下落していく未来を一つ見ておく必要はありそうです。

池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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