【Z世代のマネー学】Z世代には投資が欠かせない! お金に困らない将来を迎えるには

お金に困らない将来を迎えるには
マネーケア

銀行にお金を預けても、お金はほとんど増えません。ミレニアル世代・Z世代と呼ばれるみなさんがこれからお金を増やしたいならば、投資をすることが欠かせません。

今回は、【ミレニアル世代のマネー学】でお話ししてきた内容のまとめとして、投資の考え方とミレニアル世代・Z世代におすすめの投資をご紹介。お金に困らない将来を迎えるためにすべきことを解説します。

▶︎前回:長期積立投資はいつやめるのがいい? 買い時よりも難しい「売り時」を考える

お金を増やすには投資が欠かせない時代

人生にはさまざまなライフイベントがあり、何かとお金がかかります。なかでも、教育費・住宅費・老後資金の3つは「人生の三大資金」。いずれも1000万円単位の大きなお金がかかるため、前もって自助努力で準備する必要があります。

かつては一つの会社に勤め続けることで給料が増え、自然とお金が貯められました。しかし、今は頑張って働いても、給料は右肩上がりで増えにくい時代。国税庁「令和2年分民間給与実態統計調査」によると、会社員の平均給与(賞与含む)は約433万円と、2年連続で減少しています。

また、銀行にお金を預けると受け取れる利息も、昔は年で数%あったのに対し、今はわずかに0.001%(2021年10月5日時点・大手銀行)。これでは、お金はまったく増えていきません。ですから、ミレニアル世代・Z世代のみなさんがお金を増やすには、投資をすることが欠かせないのです。

投資先となる金融商品はさまざま。銀行・証券会社・保険会社といった金融機関で購入できます。

●主な金融商品

筆者作成

これらの投資には、いずれも「リスク」があります。投資の世界のリスクには、「リターン(損益)のブレ幅」という意味があります。もちろん、損失を出す可能性もあるわけですが、利益が出る可能性もあるのです。このリスクは、金融商品の種類によって異なりますが、投資の仕方次第で、リスクを抑えつつリターンを狙うことはできます。

投資の基本は「長期・積立・分散」

投資というと、株などの値動きを示すチャートでタイミングを見計らって、一気に勝負するイメージを持たれる方もいるかもしれません。もちろん投資では、そうした取引もしようと思えばできます。しかし、このような方法では、たまたま1度、2度程度儲けることはできるかもしれませんが、同時に大きく損をしてしまう可能性も高くなってしまいます。こんなギャンブルのような投資をしていては、いつまでたってもお金は増やせません。

お金を増やしたいなら、「長期」「積立」「分散」の3つを意識して投資を行うことです。
長期は長い時間をかけて投資すること、積立は毎月一定の金額を投資に回すこと、そして分散は投資先や購入タイミングを分けることです。長期・積立・分散は資産運用の王道とも呼ばれる手法。地道ではありますが、堅実にお金を増やす期待ができます。

上記の金融商品のなかで、長期・積立・分散投資がもっとも手軽にできる商品は投資信託です。投資信託は、投資家から集めたお金を専門家が運用してくれる商品。1つの商品で数十〜数百に及ぶ金融商品に投資してくれるため、1本買うだけで分散投資ができるのです。この投資信託に、長期間コツコツと積立投資すれば、長期・積立・分散投資の完成です。

銀行・生命保険(損害保険)会社・年金・ヘッジファンド…「機関投資家」と呼ばれる投資のプロたちも、長期・積立・分散投資をしています。機関投資家は、顧客から預かったお金を減らしては大変ですから、お金を減らさずに増やす運用をしています。

たとえば、世界最大の機関投資家と呼ばれるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、お金を大きく「国内債券」「国内株式」「外国債券」「外国株式」の4種類に25%ずつ分けて投資することを基本にしています。

●GPIFの資産配分

出典:GPIF「2021年度第1四半期運用状況(速報)」

2001年からの約20年間で、GPIFの累積収益額は100兆円を突破しています。この間、リーマンショックやコロナショックといった暴落を経験しているにもかかわらず、お金を減らさずに運用できているのは、資産配分を守って長期・積立・分散投資を実践しているからなのです。

続きを読む
1 / 2

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

プロフィール

関連記事一覧