都道府県の年金受給額に格差あり、年金受給額ランキングと年金が少ない場合の対策を解説

都道府県の年金受給額に格差あり、年金受給額ランキングと年金が少ない場合の対策を解説
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国民年金(老齢基礎年金)のしくみ

国民年金から支給される老後の年金を老齢基礎年金といいます。原則として20歳から60歳になるまでの40年間加入して保険料を納めます。

年金を受け取るためには、最低10年の加入期間が必要です。この加入期間には、年金額には反映されないけれど、年金を受け取る資格として繰り入れることができる「カラ期間」も含まれます。
ここでいう40年間の加入期間には、国民年金の保険料を納めた期間だけではなく、厚生年金や第3号被保険者という会社員や公務員に扶養されている配偶者の期間や、保険料を免除されていた期間も入ります。
しかし、10年加入していれば国民年金が受け取れるとはいえ、加入期間が40年に満たない場合には、年金が減額されます。たとえば、未納期間がある場合には、その長さに応じて減額されます。また、国民年金保険料の免除を受けた場合には、免除の種類と期間によって、いくら減額されるか決まっています。

国民年金は20歳から60歳未満の40年加入して、2021年度は年額約78万円受け取れます。年金額は、物価や賃金にスライドして毎年度変わります。この老齢基礎年金は次のように計算されます。

老齢基礎年金の計算

老齢基礎年金の計算

厚生年金のしくみ

会社員や公務員が加入する厚生年金は、保険料を納めた期間や額に応じて年金の額が決まります。

老齢厚生年金の計算は、平成15年3月まではボーナスを含まない計算になっており、平成15年4月以降はボーナスを含めた計算になっています。そこで、ボーナスを含む総報酬制が導入された前と後では、計算方法が異なります。

計算の方法は、厚生年金に加入していた期間の平均的な月収、給付乗率と加入期間を掛けて年金金額を計算します。
このほか、20歳未満や60歳以降に働いて厚生年金を納めた場合には、老齢厚生年金に加算して支給される金額があります(経過的加算)。

老齢厚生年金の計算

老齢厚生年金の計算

みんなどれくらい年金をもらっている?

ところで、まだまだ年金を受け取るのは先だとしても、みんなが実際にどれくらい年金をもらっているのか気になるところでしょう。
さらに都道府県においても、年金受給額に格差があります。
厚生労働省年金局の「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、国民年金と厚生年金とに分けて見ていきましょう。

2021年度の国民年金(老齢基礎年金)の支給額は、満額で年額78万900円、月額6万5075円になっていますが、全員の方が満額もらっているわけではありません。全国一律とはいえ、都道府県によってバラつきがあります。
令和元年度の全国平均は月額5万6049円です。都道府県別に見ると、上位から1位富山県(5万9667円)、2位福井県(5万8936円)、3位島根県(5万8856円)になっています。下位は45位大阪府(5万3988円)、46位青森県(5万3252円)、47位沖縄県(5万2112円)です。

国民年金の平均年金月額ランキング

国民年金の平均年金月額ランキング
厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成。

次に厚生年金(厚生老齢年金)は、給与は首都圏が高いとあって、関東地方にある都道府県の受給額が高くなっています。1位神奈川県(16万6546円)、2位千葉県(16万997円)、3位東京都(15万9556円)の順になっています。全国の平均額が14万6162円なので、1位の神奈川県との差は、1か月で2万円もの開きがあります。逆に受給額が低い都道府県は45位宮崎県(12万2795円)、46位秋田県(12万2488円)、47位青森県(12万2081円)になっています。1位の神奈川県と47位の青森県との差は、月額で4万4000円、年額では53万円もの違いになっています。

厚生年金の平均年金月額ランキング

厚生年金の平均年金月額ランキング
厚生労働省年金局「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成。

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池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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