【Z世代のマネー学】インデックス・バランス・アクティブ…本当にお金が増える投資信託を選ぶには
これから資産運用をはじめるならば、まずは投資信託から。そう考えている方も多いでしょう。しかし、私たちが買うことができる投資信託は6000本以上もあります。どう選んでいいのか、とても決められないですよね。
そこで今回は、投資信託の運用方法の違いを押さえたうえで、運用方法別の選び方のポイントを紹介。さらに、それらを踏まえて筆者が選ぶおすすめ投資信託まで、ご紹介します。
投資信託の運用手法は大きく分けて2つある
投資信託は、投資家から預かったお金を資産運用のプロ(ファンドアネージャー)が運用してくれる商品。投資家は、運用で得られた利益を受け取ることができます。
投資信託の運用手法には、大きく分けて「インデックス型」と「アクティブ型」の2種類があります。
▶︎前回:米国株の配当金には税金が二重でかかる? 税金を減らすにはどうしたらいい?
●インデックス型
インデックス型の投資信託は、株や債券などの指標(指数)と同じ値動きを目指す投資信託です。
ニュースで「今日の株の値動きです」などと報じられるとき、「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」という言葉を見たり聞いたりしたことがあるでしょう。これらは、日本株の市場の大まかな動向を数字で表したものです。つまり、これらの指標と連動する投資信託を購入することで、市場全体に投資したのと同じような効果が得られるのです。
インデックス型の投資信託が投資の対象にする指標には、さまざまなものがあります。どの指標に投資するかは、投資信託によって異なります。同じ指標に連動する投資信託が複数あることもあります。もっとも、同じ指標に連動する投資信託であれば、運用成績に大きな違いはありません。
また、投資信託の保有中にかかる手数料(信託報酬)は、次に説明するアクティブ型よりも一般的に低く設定されています。
●アクティブ型
アクティブ型の投資信託は、指標を上回ることや、できるだけ利益を出すことを目指す投資信託です。
インデックス型の投資信託の投資先は、目標とする指標とほぼ同じですから、簡単に決まります。しかし、アクティブ型はより儲かると考えられるところを探すために、担当者が会社や市場などを徹底的に調査・分析します。そして、ここは値上がりするだろうという会社・業種・国などを選んで投資します。
したがって、運用成績はインデックス型よりも投資信託ごとの差が大きくなりがちです。また、調査・分析に手間がかかる分、信託報酬もインデックス型より一般的に高く設定されています。
また、インデックス型・アクティブ型の他に、「バランス型」という分類もあります。
バランス型の投資信託は、運用手法の違いではなく、「1本で国内・海外の株と債券の4資産に投資」という具合に、複数の資産にまとめて投資できる投資信託です。1つの資産に投資するよりも分散投資ができますので、値動きのリスクを押さえて、堅実にお金を増やす期待ができます。
インデックス型とアクティブ型、どちらを選べばいい?
指標を上回る運用ができるならば「アクティブ型に投資したい」と考えた方が多いのではないでしょうか。しかし、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス「SPIVA日本スコアカード」(※)によると、10年間投資をした結果、指標(インデックス)に勝てなかったアクティブ型投資信託の割合は、日本株で68.4%、米国株で86.9%、新興国株で94.2%もあります。実は、アクティブ型はなかなかインデックス型に勝てていないのです。
また指標に勝てていないことに加えて、アクティブ型は手数料が高いので、そのコストを踏まえて指標を上回る運用となると、勝てなかった割合はもっと増えることが想定されます。
もっとも、アクティブ型が絶対にダメかといえば、そんなことはありません。アクティブ型の中には、手数料を大きく上回って利益をあげているものもあります。ただ、一般にアクティブ型はリスクがどうしても高くなりがちです。
ですから、もしこれから投資を始めるというのであれば、まずはつみたてNISAやiDeCoといった税制優遇の受けられる制度を活用してインデックス型・バランス型を購入し、堅実に資産を増やしていくことをおすすめします。そしてお金が貯まってきたら、投資資金の一部を使ってアクティブ型を購入すればいいでしょう。
※:S&P Global SPIVA日本スコアカード(2020年末版)「指数をアンダーパフォームしたファンドの割合(リスク調整後リターン・ベース)」