2022年秋に児童手当の特例給付が変わる!年収1,200万が壁に

マネーケア
支給額

児童手当の支給額
引用:内閣府 児童手当制度のご案内

おさえておきたい児童手当の「所得制限限度額」

児童手当には所得制限限度額というものがあります。
養育する人(共働き夫婦なら収入が多い方)の年収が、次の表の金額以下であることが条件です。

所得制限限度額

所得制限限度額
引用:内閣府 児童手当制度のご案内

例えば、両親と子ども2人の4人家族で母親が扶養に入っている場合、所得制限限度額が736万円(収入目安960万円)となり、この金額以上の年収の家庭では、児童手当ではなく特例給付というかたちで手当が支給されます。

「特例給付」は一律5,000円!

2021年3月現在、特例給付の受給には年収制限がなく、対象の児童に対して一律5,000円が支給されます。3歳未満でも第3子以降でも金額は変わりません。
今回の閣議決定により2022年10月支給分から一部変更となるのは、この特例給付の受給ルールです。

「特例給付」に年収1,200万円の壁!

現在、特例給付は年収の上限なく支給されています。
しかし、2022年10月の支給分からは、養育する人(共働き夫婦なら収入が多い方)の年収が1,200万円以上の場合、特例給付が廃止となることが決定しました。

政府によると、この条件変更で子ども61万人分の手当が廃止となり、年間約370億円の財源を得られるそうです。
この財源は、保育所整備などの待機児童対策に充てられます。

しかし、特例給付の支給に年収上限を設けると、特例給付を受給できる世帯と受給できない世帯ができ、以下のようなケースも生まれます。

<ケース1.世帯年収2,000万円/特例給付【あり】>
夫の年収が1,000万円で、妻の年収も同じく1,000万円、子どもが2人いる家庭があるとしましょう。
この家庭の場合、世帯年収は2,000万円で、児童手当の特例給付の対象です。

<ケース2.世帯年収1,200万円/特例給付【なし】>
夫の年収1,200万円で、妻は専業主婦、子どもが2人いる家庭があるとしましょう。
この家庭では、夫の年収が1,200万円を超えてしまうので、児童手当の特例給付は2022年10月の支給分から廃止です。

ケース1のように、世帯年収が高くても、夫婦それぞれの年収が1,200万円以下なら特例給付を受け取ることができる一方、ケース2のように夫婦どちらかの年収が1,200万円を超えると受給できません。年収1,200万円がひとつの壁となるのです。

「特例給付」の年収制限どう思う?子育て世代の声

特例給付の支給に年収1,200万円の壁ができることに対して、子育て世代のママやパパたちはどう思っているのでしょうか?
春から新小学生、新幼稚園生になる子どもを育てる筆者の周りの保護者に話を聞いてみました。

「今はあまり関係ないけど、将来不都合を感じるかも」

まず意見を聞いたのが、幼稚園生の子どもを育てる共働き家庭のママです。
彼女は働いていますが、年収は1,200万円以下。世帯主である夫の年収も1,200万円以下なので、今回の法改正は直接的な影響はありません。

「保育園などの設備が整うなら、共働き世帯としてはありがたいし、仕方のないことかなと思う。しかし今後、子どもが中学校を卒業するまでの間に夫か私が昇給し、年収が1,200万円を超えた場合、これまで支給されていた手当が支給されなくなるのは損をした気持ちになるかもしれない。今のうちに貯蓄しておきたい」とのことでした。

「年収1,200万円の線引きは専業主婦家庭には厳しい」

こう答えてくれたのは、小学生の子ども2人を育てる専業主婦の友人です。夫の年収がちょうど1,200万円で、2022年秋からの特例給付は見込めないとのことでした。
現在受給している、子ども2人分、年間12万円の手当は、私立中学校を受験するための塾や習い事の費用に充てているそうです。

「子どもが大きくなればなるほど学習費や食費がかかり、私立中学校の受験やその後の進学に関わる費用を考えると、家庭に余裕はないのが現状。塾費用の足しにしていた特例給付が支給されなくなるのは残念」と、このように答えてくれました。

「副収入で思いがけず年収オーバー…。想定外」

このような意見を聞かせてくれたのは、小学生と幼稚園生の子どもをもつ転勤族家庭の友人です。転勤のため、持ち家のマンションを人に貸していて家賃収入があるため、夫の年収が1,200万円を超えてしまうとのことでした。

「特例給付の廃止対象になることは想定外。家賃収入分はローンの返済やマンションの管理費、修繕積立金に充てているので生活に余裕があるわけではなく、手当が支給されなくなるのは辛い。子育てはこれからがお金がかかる時期なので、パートを始めようと思っている」
こう答えてくれました。家庭により意見はさまざまです。

法改正で得られた財源が有効に使われることに期待!

年収1,200万円以上は高所得者というイメージがありますが、扶養家族の人数やライフスタイルによっては出費も大きく、必ずしも生活にゆとりがある家庭ばかりではないようです。特例給付の支給に年収上限ができることで、家庭によってはこれまで支給されていた手当がなくなり不都合を感じるケースもあるでしょう。
今回の法改正で得られる財源が、有効に使われることを願うばかりです。

kimmy

美容、コスメが好きな2児のママです。 営業職、秘書の経験あり。保有資格は高等学校教諭一種免許状(体育)、秘書検定2級、ファイナンシャルプランナー3級など。 ...

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 3級ファイナンシャルプランニング技能士

プロフィール