お金のプロが教える、月1万円でできる資産形成6選
毎日のくらしのために必要な生活費とは別に、まとまったお金が必要になることがあります。
たとえば、引っ越し、資格試験の勉強、結婚、出産、旅行、入院など。転職のために数カ月収入が途絶える場合にもお金が必要です。さらに、マイホーム購入、子どもの教育費、老後資金となると、もっと大きな資金を準備しておきたいですね。
目標とする金額は大きくても、千里の道も一歩から。資産形成は着実に、まずは月1万円から始めてみましょう。
今回は月額1万円でできる、資産づくりの方法をお伝えします。
月1万円を資産形成の予算にまわす
健全な家計のためには、収入の範囲内の支出に抑えることが基本。ボーナスなどの収入をあてにして、毎月の家計は赤字でもやむを得ない、と考えるのは危険です。
ボーナスは、基本給と異なり支給が約束されているものではないので、業績などによっては減額や支給なし、ということにもあり得ます。
ですから、毎月の収支はしっかり黒字にすることが大切。コツは、あらかじめ支出の予算を立てることです。
予算を立てたらしっかり守れるよう、支出をコントロールしましょう。予算には、食費や水道光熱費だけではなく、資産形成の分も確保します。こうすることで、「今月は支出が多かったから、貯蓄はなし」という事態を防げます。
資産形成の予算は、はじめは月1万円でもいいのです。
では、その1万円はどのようにしたらいいのでしょうか。
月1万円でできる資産形成その1:元本保証で安心の貯蓄
まず考えたいのは貯蓄です。元本割れの心配がないので、安全に資産形成を進めたい人に向いています。月1万円を貯めていくと、1年で12万円、5年で60万円、10年で120万円ですね。
長期的に考えるなら、普通預金よりは定期預金のほうが、金利が高くておトクです。ただし、低金利政策などの影響で、大手都市銀行の定期預金は0.002%(みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行 2020年6月現在)。これでは10年預けてもほとんど増えません。
しかも、今後ゆるやかなインフレによって、物価が年1%でも上がれば、実質的にお金の価値が下がってしまいます。
物価が1%上がると、今年100円で買えたものが来年には101円です。すべてのモノやサービスが値上がりすると、せっかく貯蓄をしても金利がつかなければ損してしまうことにもなりかねません。
そこで、次のステップとして考えたいのが投資です。
月1万円でできる資産形成その2:積立タイプの株式投資
株式は、企業の資金調達のひとつ。企業が事業をするために必要なお金を、株式を発行することで株主から集めます。企業はそのお金を元にして事業をします。
株主は、事業の利益を配当として受け取ったり、株価が上がれば売却して利益を得たりすることができます。
つまり、利益を出して、株価が上がりそうな企業を選ぶことがポイントになります。
しかし、安定した経営で、手堅く利益を出すことを見込める企業の株は、株価が高いことが多いものです。そんな企業の株は買いたいと思う投資家が多いので、ある程度は仕方のないことでしょう。
そこで利用したいのが、各証券会社で扱っている「るいとう(株式累積投資)」です。積立金額は証券会社によって定めがありますが、多くの場合月1万円から、希望の株を積み立て投資することができます。また、スマホ証券の「OneTapBUY」では、月1000円から日本株・米国株に積み立てすることができます。
毎月一定額の投資なので、株価が高ければ少なく買い、安ければ多く買うことで、株の購入価格を平準化できるメリットがありますし、値動きに一喜一憂することなく、淡々と続けることができます。
ただし、株式投資は元本保証がありません。株価の状況は常にチェックしておくようにしましょう。
月1万円でできる資産形成その3:投資信託なら分散投資ができる
株式投資に興味がありつつも、どれかひとつの企業に絞り切れないという人は、投資信託がオススメです。
投資信託とは、多くの投資家から集めたお金をひとつにまとめ、プロが運用してくれる仕組みの金融商品。一人が出すお金は少額でも、まとまれば大きな資金になるので、投資信託では国内だけではなく、先進国や新興国も含めた株式や、債券、不動産など、多岐にわたる投資を組み合わせている商品が多くあります。
投資先を分散しておくと、どれかひとつが損失を出しても、他の利益でカバーすることがメリットです。国内外に分散したり、株と債券に分散したり、いろいろな投資のスタイルがあるので、納得できる商品を選びます。
迷ったら、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの指数に連動するインデックス型の投資信託を選ぶと、低コストで国の経済成長とともに資産形成していくことができるでしょう。