世界の大卒初任給は日本とどのくらい違う?日本の賃金の推移から見る生き残り戦略
新型コロナの影響を受けて、テレワークやリモートワークが広がりを見せています。かつての働き方からの転換を迫られる一方で、一律の初任給を見直す動きが出てきています。
すでにソニーやNECは、初任給から差をつける制度を取り入れています。これ以外にも2022年春採用からになりますが、大和証券は新卒採用で初任給40万円以上の採用枠を設定しますし、三菱UFJ銀行では能力に応じて給与が決まる仕組みを導入し、新卒で年収1000万円という可能性もあるそうです。横並びが強い日本の企業では、大きな変化といえます。
今回はグローバル化が進む社会における日本の位置づけを賃金という切り口から考察し、私たちがこれから取り組む課題を考えてみましょう。
世界の大卒初任給はいくら?
今では転職も珍しくなくなってきましたが、日本においては「年齢が上がると昇給していく」「長く勤めると退職金が多くもらえる」という制度のもと、1つの会社でキャリアを積んでいくスタイルが主流を占めています。
こうした制度では、新卒一括採用を行い、同じスタートラインから出発し、仕事をこなすうちに適正を見極めるという場合が多くなっています。
ですからそのような制度では、いくら能力や技能があったとしても、最初のスタートは年収300万円程度というのが一般的です。
しかし海外においては、横並びの初任給という概念自体がありません。最近よく聞かれるようになった「ジョブ型」の雇用形態をとっており、業務内容に応じて賃金を決める制度になっています。
ウイリス・タワーズワトソンが行った調査「2019 Starting Salaries Report」※1では、日本の大卒初任給の平均は262万円で、アメリカの632万円、ドイツの534万円にくらべてスタートの時点から日本は抑制されているという報告がなされています。
このまま日本で大半を占める横一列の初任給を続けていれば、優れた人材を外資系企業に取り込まれてしまうかもしれません。
※1:日経新聞
それでは、世界の平均賃金を比較してみましょう。