投資始める前に知っておきたい基礎知識【証券編】

投資商品

投資未経験の相談者から、最もよく聞く言葉が「何から始めたらいいか、分からない」です。
確かに投資の一歩を踏み出す際、何かライセンスが必要な訳ではありませんし、今の自分が本当にはじめていいのか、不安な気持ちになるのは理解できるところです。
今回は、投資未経験者が、始める前に知っておきたい最低限の知識を確認していきましょう。

基礎知識はどのようなものがあるか

●商品知識
商品部類として覚えるのは、「株式」「ETF」「REIT」「債券」「投資信託」でよいでしょう。それぞれの構造と、リスク・リターン度合いを、大体でも結構ですので、まずは覚えてください。
さらに初心者が始めやすい「投資信託」の中の、カテゴリーを確認しましょう。最低限、何に対して投資をしているのかを知らなければならないからです。

●売買に関する知識
次に売買方法について確認しましょう。基本的には証券会社で口座開設が必要になります。インターネット取引をするのであれば、どのデバイスを使用するのかなど、投資環境が大切になってきます。スマートフォンもしくはPCになるかと思いますが、日中売買をするのか、指値を入れておいて帰宅後に確認するのか、など、投資環境に合わせて、「見やすい・使い易い」が、重要なポイントになってきます。
証券会社の担当者を間に介して取引をする方法もありますが、次に確認するコスト面が関係してきます。

●費用に関する知識
コスト面の確認は、どのタイミングで、何に対するコストなのかを知ることが大切です。
例えば同じ売買コストでも、経路(ネット取引か、担当者を介するか)によって異なることや、コストをかける分取得できる情報差など、総合的に自身の投資環境に見合った選択をする必要があります。

●税金に関する知識
最後に税金です。口座種類によって課税の有無が異なる他、誰がどのタイミングで納税するのかも異なります。基本的には非課税のNISA口座はまず作るべきでしょうし、年間上限額がありますので、用途によって使い分ける必要があります。初心者であれば、「特定口座の源泉徴収あり」でまずは開設し、確定申告によって損失の繰り延べなど、順に覚えてゆくのがよいでしょう。

セミナーや本で学ぶのは、最低限でよい

よく、セミナーに通いつめ、書籍をたくさん読んでから始めたいという方がいますが、目的はセミナーに通うことでも本を読むことでもありません。

これからの投資人生という道で、落とし穴や分かれ道がある場合、過去はどういった兆候が見られたのか、どんな確立で起こるのかなど、データとして「知る」ことは、書籍やセミナーで得られます。しかし、あくまでも過去の話なので、これから起こることが間違いなく同じとは限りません。いくら事前学習を重ねても、先のことはやってみない限りわからないのです。

具体的には、顧客向け本と、販売者向けの本、両方を各1冊読むことに加え、別々の金融機関に勤める3人から、話を聞くぐらいでよいでしょう。

あとは実践しながら知識のブラッシュアップ

足元を固めてスタートするのは良いのですが、歩いてみないと実際の感覚はおろか、歩き出した先の景色を知ることはできません。
また、「一度も失敗したことのない投資家」など、この世に存在しないでしょう。理屈では分かっていても欲をかいて売り時を逃すことは、みな経験があるはずです。それは、コンピューターと違い、人間は感情の生き物だからです。

何事も経験に勝るものはありません。
失敗も成功も、繰り返すことによって経験値が積み重なり、「投資は自己責任」であることを含め、やがて自信につながるものです。

佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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