世界の大卒初任給は日本とどのくらい違う?日本の賃金の推移から見る生き残り戦略

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海外の国にくらべると日本の賃金は思った以上に低い

2019年に行われたOECD(経済協力開発機構)のデータ※2に基づく日本の賃金は、3万8617米ドルです(表の黄色のグラフ)。1ドル=109円で換算すると、約420万円です。

米ドルでの調査結果なので、為替の影響で金額に多少のブレがあります。しかし、この賃金はG7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの7つの主要な先進国)の中で最下位です。
さらにOECDの平均より下になっており、OECD加盟国35か国中24位です。残念なことにお隣の韓国やイタリア、スペインより低い賃金になっています。

1位ルクセンブルク:6万8681米ドル(約748万円)
2位アイスランド:6万8006米ドル(約741万円) 
3位スイス:6万6567米ドル(約725万円)
4位アメリカ:6万5336米ドル(約712万円)
5位デンマーク:5万7150米ドル(約623万円)
OECD合計:4万8587米ドル(約529万円)

11位ドイツ:5万3638米ドル(約584万円)
16位フランス:4万6481米ドル(約506万円)
24位日本:3万8617米ドル(約420万円)
※1ドル=109円で換算した場合

世界の平均賃金
図:OECD

世界のGDP(国内総生産)のランキングが、アメリカ、中国に次いで3番目の日本なのに、収入が世界の国々とくらべてこんなに低いとは思いにもよりませんでした。
過去には「1億総中流時代」と呼ばれた時代も存在しましたが、世界的に見れば日本の中流意識は崩壊しており、豊かさが感じられない国に変わってしまいました。毎日がんばって働いても結果が伴っていないとなると、やる気が削がれてしまいます。
※2:OECD

日本の賃金推移はどうなっているのか

先ほどのOECDのデータから算出された日本の平均賃金が、少し高いのでは…と感じられた方がいらっしゃるかもしれません。
年収をくらべるには、平均よりも中央値を見るほうが実際の感覚に近い数字になります。中央値とは、順番に並べていったときの真ん中の数字のことです。

厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」によれば、平均賃金は男性で338万円、女性で251万円、全体では307万7000円になっています。しかし中央値では、男性は297万7000円、女性は227万8000円※3ともっと低くなります。この調査結果からも日本の賃金がこの30年間横ばいで上がっていないことがわかります。
※3:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査

性別賃金推移

性別賃金推移
図:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査

日本の暮らしぶりは厳しくなる方向へ

それでは、もう少し日本の賃金について詳しく見てみましょう。

次の表はILO(国際労働機関)が「世界賃金報告2020-21年」の中で発表※4したものですが、2008年を100とした場合にどのように賃金が推移していったのかを表したものです。世界の主要な国々は、2008年に起こったリーマンショックを克服し、110前後の水準にまで実質賃金が上昇しています。しかし、日本の実質賃金は下降傾向にあり、リーマンショック前の水準にまだ戻れていないことがわかります。

これは収入が同じであっても、消費税や所得税、社会保険料などが上がっており、手取りの収入が減って暮らしぶりが厳しいものであることを示しています。また税金や社会保障費ばかりではなく、物価に関しても気づかない形で値上がりしています。特に食料品などは一見値段が上がっていないように見えても、内容量が減っていることが多く、実質値上げという例はいくらでもあります。
※4:労働政策研究・研修機構「新型コロナウイルスによる賃金の低下 ―ILO世界賃金報告」

G20の先進国における2008-2019年の実質賃金平均指標(基準年=2008年)

実質賃金平均指標
図:ILO(国際労働機関)

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池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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