【暮らしのお金の実態調査2020年版】マネープランが明確な人は高収入?
マネープランを立てる・立てないはライフスタイルによって違う?
次に、ライフスタイルによってお金についてのライフプランの有無に傾向があるかどうかを見てみましょう。
「同居世代数」や、「家庭に子どもがいるかいないか」はマネープランの立て方に関係するかどうか、結果を分析していきます。
「夫婦2人暮らし」はプランをきちんと立てている!
同居世帯数とお金についてのライフプランの傾向
図:筆者作成
まずは家族の有無によってお金のライフプランの立て方に特徴があるかどうかを分析しました。回答者の家族との同居状況とマネープランの有無をグラフにした結果、お金のライフプランを立てている回答者が夫婦の層で40%と最も高い割合となりました。次いで核家族の33%、単身29%、2世帯同居で23%、3世帯以上同居の家庭で28%と続きます。
夫婦暮らしの層でプランを立てている割合が高くなった背景としては、結婚を機に夫婦でマネープランを考える機会ができることや、老後に備えて夫婦でマネープラン見直すケースが多い、などが挙げられます。単身暮らしよりも、相談できるパートナーが身近にいることは、プランを立てる上で重要なポイントかもしれません。
一方、2世帯同居や3世帯以上で同居している家庭では、プランを立てている割合が低くなります。複数世帯で同居している場合、誰が主体となってマネープランを考えたらよいか責任が分散してしまうことや、大家族ならではの忙しさなどからこのような結果になっていることが予想されます。
子どもがいる・いないでは2ポイントの差
家庭に子どもがいるかいないかによる、お金についてのライフプランの立て方の変化
図:筆者作成
全対象者の子どもの有無との関係をグラフにした結果、お金のライフプランを立てている割合は、子どもがいる家庭で32%、子どもがいない家庭で30%と、2ポイントの差で子どもがいる家庭で割合が高い傾向が見られました。しかし、今回のアンケート結果では大きな差はつきませんでした。
お金のライフプランを立てている人はどのようなプランを立てているの?
お金についてのライフプランを立てている人のプラン内容
図:筆者作成
お金についてのライフプランを立てていると回答した1,078名にどのような内容をメインにプランを立てているか質問したところ、現在の生活費(家計)についてプランを立てていると回答した人が49%でほぼ半数を占め、最も多い結果となりました。次いで32%が老後の生活費と回答し、10%が教育資金、5%が住宅費、4%健康(医療費)と続きます。
お金についてのライフプランを立てていると回答したグループの中で、現在の生活費についてプランを立てている人が多い傾向が分かりました。生活の中で家計を把握し、その延長として少し先の生活費のやりくりも考えている人が多いと想像できます。
老後の資金や子どもの教育資金、将来的に住宅を購入するためのマネー計画なども重要ですが、現在の生活費についてのプランニングは収支を把握することから始めるので手をつけやすく、手を加えた効果を実感しやすいという特徴があります。
まだお金のライフプランを立てていないという人は、家計簿などで現状を知ることから始めるのがおすすめです。家計簿のほかにもインターネット上には家計を把握するのに役立つ無料フォーマットが数々あり、例えば日本FP協会のホームページで公開されている「家計の収支確認票」や「家計のバランスシート」は細かく記入方法が解説されています。
節約できるポイントを探り、投資や老後のための貯蓄に回すなど工夫することで資産を有効に管理することが可能です。若いうちからお金についてのライフプランを立てておくことは先の人生においてメリットとなるでしょう。
お金のプランをしっかり立てることで回りと差をつけよう
お金についてのライフプランを立てている人はアンケート回答者全体の31%という、半数以下の結果となりました。年収が高い人ほどプランを立てているのが特徴で、年収と金融リテラシーの関係と合致するという興味深い結果も得られています。
マネープランを立てることは、現状を把握し、やりくりを考えることなので、ひいては将来の自分への投資にもなります。苦手意識を持たずに挑戦していきたいですね。
文:kimmy
監修者:ファイナンシャルプランナー歴3年 千見寺 拓実