パンフレットの鵜呑みは注意!外貨建て貯蓄型保険で学んだこと
外貨建て保険のメリットとデメリットとは
この仕組みに気づいた直後は、信じていた積立利率に裏切られた気持ちがありました。しかし、普通預金に預けていてもほとんど利息がつかないことを考えれば、筆者としては「1つの資産運用としては良いのかな」という答えにいきつきました。
最後に、外貨建て保険で感じた筆者が考えるメリットとデメリットについて、それぞれ紹介します。
メリット1:普通預金や定期預金よりは金利が良い
実際はパンフレットに記載されている積立利率ではありませんが、普通預金や定期預金に預けるよりは運用利回りが良いでしょう。預金していても、お金は微々たる金額しか増えません。それを考えると、一つの選択肢にはなると思います。
メリット2:為替差益が期待できたり米ドルで受け取りOK
米ドル建ての保険なので、米ドルの動きが関わってきます。外貨建て保険の最終的な受け取りは、米ドルか日本円かの選択が可能。そのため、受け取りのときの為替が円安になっていれば、運用利回り以上の利益を手にできるかもしれません。海外旅行する人は、米ドルで受け取れば為替の影響を受けないので、これもメリットと言えるでしょう。
メリット3:貯蓄しながら万一の保障も受けられる
死亡保障に関してですが、外貨建て保険は名前にあるように保険の機能がついています。そのため、万一死亡したときや高度障害になってしまった場合には、保険金が支払われます。
若いうちは「自分1人だから死亡保障や高度障害など関係ない」と思いがちですが、将来的に結婚したり子どもが生まれたりすると、貯蓄しながら万一にも備えられるのでメリットは大きいように感じました。
また、結婚せず独身だった場合、なんらかのきっかけで高度障害になって介護が必要になったとしましょう。そのとき介護してくれる親や親戚などに、精神的負担をかけるだけでなく、金銭的負担もかけてしまうかもしれません。そういったときに保険金が使ってもらえば、少しは負担を軽減できるでしょう。
デメリット1:途中解約する可能性があるなら注意が必要
「運用利回りと積立利率は違う」といったデメリットがありますが、筆者が特に感じたデメリットは2つ。まず1つ目は、途中解約しにくいことです。加入して数年しか経っていないときなどに、急にお金が必要になったからといって途中解約すると、払い込んだ保険料合計よりも少ない金額しか戻ってきません。
「近いうちに解約するかもしれない」「10年後に必要なお金」というお金であれば、外貨建て保険には向かないでしょう。ただ、長期で運用する予定であったものの、どうしてもお金が必要になった場合は、貸付利率が発生しますが、契約者貸付という制度があるので検討してみてください。
デメリット2:円高になったら円安になるまで待てる?
為替変動についてはメリットとして紹介しましたが、これはデメリットにもなり得ることを知っておきましょう。円安になれば良いですが円高になっていた場合、受け取り金額が減ったり、むしろマイナスとなってしまったりする可能性もあるからです。
円高になったら米ドルのまま保有しておき、円安になった時点で日本円にするといった方法をとれば、為替リスクを回避できるでしょう。しかし、子どもの教育資金や老後の資金といった目的だと、円安になるのを長期間待つのはなかなか厳しいかもしれません。外貨建て保険に加入するのであれば、許容できる為替リスクの範囲で行いましょう。
数字にまどわされないで!商品の特性をしっかり理解しよう
投資の話では筆者のように、どうしても数字に目がいきがちです。そのとき良いと思っていても、よくよく考えると重大なリスクや見落としがあることもあります。ただでさえ保険の仕組みは複雑なのに、そこに為替が関わってくるとさらに複雑になるでしょう。
数字に流され安易に加入するのではなく、商品の特性を理解して、自分の投資に対する考え方と合っているかを判断してから加入するといいのではないでしょうか。