金融リテラシー調査の結果、日本人のリテラシーは高い?低い?

マネーケア

金融リテラシーとは、お金に関する知識や判断力のことです。日本人の金融リテラシーについて、金融広報中央委員会が2019年に調査を行いました(「金融リテラシー調査(2019年)」)。この調査は、全国の18~79歳の個人25,000人を対象としています。
この調査では、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど海外との比較も行われました。果たして、日本人の金融リテラシーはどうだったのでしょうか。詳しくお話をします。

都道府県別の調査結果からみえてくる傾向と対策を紹介した記事、金融リテラシー調査の結果 都道府県別の傾向と対策もチェックしておきましょう。

海外調査との比較の結果

調査はアンケート形式で行われましたが、海外の同種調査と比較できる内容が含まれており、アメリカやヨーロッパ圏の国とも比較できるようになっています。
たとえば、金利の複利計算についての設問があります。
出典:知るぽると「金融リテラシー調査2019年調査結果」6ページ

【設問】

100 万円を年率 2%の利息がつく預金口座に預け入れました。
5 年後には口座の残高はいくらになっているでしょうか。(税金は考慮しない)

出典:知るぽると「金融リテラシー調査2019年調査結果」設問19

1. 110 万円より多い
2. ちょうど 110 万円
3. 110 万円より少ない
4. 上記の条件だけでは答えられない
5. わからない

答えは…1の「110万円より多い」です。
このような共通の設問の正解率を、海外と比較すると以下の結果となりました。

日本とアメリカとの比較

金融リテラシーの共通問題の正解率を比較すると、日本が47%であり、アメリカは53%となりました。アメリカは6ポイント正解率が高いです。

日本とヨーロッパ圏の国との比較

金融リテラシーの共通問題の正解率を比較すると、日本60%、イギリス63%、ドイツ67%、フランス72%となりました。
この結果から、日本人の金融リテラシーは、アメリカやヨーロッパ圏の国々と比較して、残念ながら低いという事実が見えてきます。

金融リテラシーを上げるために実践すべき4つのこと

先ほどの金融リテラシー調査において、日本人の中でも正解率が高い人は、金融教育を受けており、金融・経済の情報を頻繁に見ているという背景を持っているという結果を得ました。
出典:知るぽると「金融リテラシー調査2019年調査結果」7ページ図表13、11ページ図表28、12ページ、14ページ図表33など

つまり金融リテラシーが高い人々は、日ごろから、テレビ、新聞、本、インターネットなどで金融・経済情報に関心を持ち、金融商品の商品知識を得ているのです。
また、実際に保険や投資信託の購入や、住宅ローンを活用するときは、商品の比較、調査や相談を行い、自分にあった商品を選ぶ術を心得ています。

調査結果を踏まえると、金融リテラシーを上げるために実践すべきことは、以下の4つです。

①日ごろから、金融や経済情報に関心を持ち、テレビ、ウェブ、新聞で情報を得る。
②金融商品を購入する際は、商品内容について理解したもの以外は買わない。
③金融商品を買うときは、勧められるままではなく、自分なりに比較・調査を行う。
④金融商品で不明な点は、商品販売と直接の関係がないFP(ファイナンシャルプランナー)へ適宜相談する。

金融リテラシーが低いとどうなる

金融リテラシーが低いと、お金の長期計画を立てたり、金融商品を理解して購入したりすることができません。実際に、不要な金融商品を言われるがまま契約するケースもでてくるかもしれません。
その結果、大きな損失を被り、後悔や無力感を感じる場合もあるでしょう。実際のところ、金融リテラシーが低いと、金融トラブルを招く傾向にあります。金融リテラシーを上げることで、お金によるトラブルを避け、安定した人生を得ることができます。

まとめ

日本人の金融リテラシーは海外の人々と比較して低い傾向にあります。しかし、金融リテラシーは、あなたの人生をあなたらしく生きるために、自立と自信を与えるツールです。少しずつ、金融リテラシーを上げるための習慣を実践していきましょう。

舟本 美子

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」 会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。 あなたに合った...

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