募金をしたら税金が安くなる 寄附金控除を賢く利用するには
寄附金控除を活用する
では、実際にどのくらい節税できるかを見ていきましょう。計算は次のように行います。本来、所得税の他に復興特別所得税、住民税がかかりますが、簡便的に所得税だけで比較します。
所得税の税額=(課税所得-所得控除)×税率
寄附金控除=募金額(年間所得×40%限度)-2,000円
つまり、1年間に2,000円よりも多く募金すると節税ができます。
(1)年収400万円で一般的な所得税率を5%とすると
1万円募金すると(1万円-2,000円)×5%=400円
2万円募金すると(2万円-2,000円)×5%=900円の節税となります。
(2)年収500万円で一般的な所得税率を10%とすると
1万円募金すると(1万円-2,000円)×10%=800円
2万円募金すると(2万円-2,000円)×10%=1,800円の節税となります。
(3)年収600万円で一般的な所得税率を20%とすると
1万円募金すると(1万円-2,000円)×20%=1,600円
2万円募金すると(2万円-2,000円)×20%=3,600円の節税となります。
募金には税額控除の対象となるものもあり、寄附金税額控除といずれか有利な方を選択することができます。
寄附金税額控除額=(募金額-2000円)×40%(所得税額×25%限度)
寄附金控除、寄附金税額控除とも年末調整では控除を受けることができないため、医療費控除などと同様に確定申告が必要となります(確定申告の際には領収書や税額控除の証明書が必要です)。
この他、自治体の条例で住民税の寄附金控除の対象となる場合がありますが、自治体によっては寄附金控除の対象とならない場合がありますので必ず確認しましょう。
節税にもなる募金先を確認しよう
募金は「支援したい」という想いを、お金を通じて具体的に実行できるものです。
募金先は様々ありますが、節税ができることで募金する側にとってはより支援がしやすくなり、募金する人の輪も広がりやすくなります。
しかし、募金ならどこでも節税できるというわけではないので注意が必要です。
また、募金によっては所得控除だけが対象となるもの、寄附は対象だが義援金は対象外などということもあります。どのような控除が受けられるかは変更される場合があります。気になる募金先がありましたら、ホームページやパンフレットで確認してみてください。
執筆者:税理士・社会保険労務士・CFP 中島 典子