希望する寿命は何歳? 意外と短い平均希望寿命
人生100年時代。厚生労働省の調べによれば、平均寿命は年々伸びており、女性は87.26歳、男性は81.09歳です(2017年簡易生命表より)。
長寿化はますます進んでいますが、誰もが希望する寿命をまっとうできてきるのでしょうか。
10代~50代の希望する寿命は、平均77.1歳
BIGLOBEは、「年齢に関する意識調査」を実施し、2018年8月に発表しました。
この調査は、インターネットを利用する方のうち、スマホを持っている全国の10代~50代の男女1500人を対象にアンケート形式で実施したものです。なお、調査日は2018年7月23日~7月25日、調査方法はインターネット調査です。
さて、同調査で、「何歳まで生きたいですか?」と聞いたところ、希望する平均寿命は77.1歳になりました。
希望する寿命として最も多かったのは、80~84歳の25.5%だったので、実際の平均寿命と大きな隔たりはないようですが、詳しく見てみると、100歳以上を希望する人は10.7%いる一方で、65歳未満は15.7%と決して少なくありません。
特に、希望する寿命を65歳未満とするのは、20代では23.6%、30代では19.0%と他の年代よりも多く、老後に対してあまり期待していないことが読み取れます。
厚生労働省の簡易生命表を詳しくみると、90歳になる人は、女性で2人に1人、男性で4人に1人です。
しかし、BIGLOBEの調査によれば、それほどの長生きは望まれていないようです。
老後の不安がある人は82.6%も!
BIGLOBEの調査で、「老後に不安がありますか?」との質問には、「ある」(48.7%)、「少しある」(33.9%)となり、不安を感じている人が82.6%もいることがわかりました。
年代別に見てみると、10代では68.3%、20代では76.3%、30代・40代では89.3%、50代になると90.0%の人が老後に不安を感じているという結果で、年代が上がるにつれて、老後の不安も増しているようです。
また「老後に関して不安に思うこと(複数回答)」は、「老後の資金」が76.9%で最多でした。
続いて、「年金制度」(68.8%)、「病気・怪我」(61.9%)、「親の介護」(41.1%)となっており、経済的な不安と、健康面の不安が大きいようです。
ただし、健康面の不安は治療や介護そのものの不安だけではなく、経済的な不安にも直結しています。治療・介護には費用がかかり支出が増える一方で、仕事をセーブせざるをえず、収入が減ることにもなりやすいからです。
仕事をリタイアしたい年齢は、平均62歳
では、多くの人は何歳まで働きたいと考えているのでしょうか。
同調査によれば、10~50代の働く男女886人に「仕事をリタイアしたい年齢」について質問したところ、平均が62歳でした。
ただし、年代によって大きく意識が異なっています。定年退職が近い50代は、平均65.6歳と、全年代で最高齢。老後不安が現実的になり、長く働きたいという意識になっているようです。一方で10代は58.9歳、20代は56.9歳と、早めに仕事をリタイアしたいという願望が感じられます。
充実したシニアライフのためにできること
それほど長生きしたくない、という意識の背景には、老後資金不足で不自由な生活を強いられることや、病気や介護によって決して楽しいとは言えない生活になってしまう不安があるのではないでしょうか。
充実したシニアライフのためには、しっかりとした老後資金、健康管理が欠かせません。
老後資金は若いうちから計画的に準備しておきましょう。
公的年金に加入手続きをすることはもちろんですが、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)やつみたてNISAの活用、不動産投資など、貯蓄だけではなく堅実な投資も組み合わせるといいですね。
健康は、毎日の生活習慣の積み重ねです。無理をせず、バランスのとれた食事と適度な運動を心がけ、健康診断やがん検診は必ず受けましょう。
がん検診は、自治体が費用を補助してくれています。支払った税金の還元とも言えますので、このような機会は逃さず利用したいものです。早期発見なら治療期間も短くなりやすいため費用も抑えられることが多くなります。
まとめ
希望する寿命が、実際の平均年齢よりも短いのは、シニアライフをポジティブに考えられないからかもしれません。
自分らしく充実したシニアライフを送れるよう、資金と健康の準備は早めに、リタイア後も楽しい人生を描けるようにしていきましょう。