国民年金の未納分 今から支払うと受給金額はいくら上がる?

年金・社会保険

65歳から受取れる「老齢基礎年金」は、保険料を払った期間と単純に比例しています。保険料を納めていない期間は「未納期間」となって、その期間分満額より年金が減ってしまいます。
今回は、過去の未納保険料を今から払える「後納制度」を活用すると、いくら年金が増えるかについて説明します。

未納分を後から払える後納制度

国民年金保険料は1カ月あたり1万6,340円(2018年度)。支払義務があるので、過去2年以内に保険料の未納があれば督促などを受けることとなります。
それ以前の未納保険料は、基本的には払うことができません。しかし、過去5年以内の未納保険料を納めることができるのが、「後納制度」なのです。
後納することによって、将来の年金受給金額を上げることができますし、納付済期間を増やすことにもなるので、10年間の納付済期間に満たない人が後納によって、年金を受け取れることもあります。

未納分を支払って受給金額を上げる

老齢基礎年金額の計算式は、以下のようになっています。

満額の老齢基礎年金×{保険料納付済の月数÷480(20~60歳の40年間の月数)}

例えば、40年間払わなければいけない保険料を20年間しか払っていない(=納付済月数が240カ月)とすると、受け取る老齢基礎年金は、
77万9,300円×(240÷480)=38万9,650円 となります。(2018年度)

なので、過去5年以内に30カ月分の保険料未納があり、それを後納制度を使って全額納めたとすると、
77万9,300円×(30÷480)=4万8,706円 となり、年間4万8,700円ほど年金が増えることになります。

これは、1カ月分の保険料を納付することで、年金が1,624円ほど増額するということ。
老齢年金は一生受け取ることができるので、生涯の収入源が増える安心は大きいですね。

では、通常2年以内に支払わなければ時効となり未納扱いになってしまっていた国民年金が、この「後納制度」によって5年までさかのぼれるのは、いつまでなのでしょうか。

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小野 みゆき

中高年女性のお金のホームドクター 社会保険労務士・CFP・1級DCプランナー・年金マスター・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 企業で労務、健康・厚生...

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