結婚による利益減少がもたらす少婚化問題! 結婚はコスパが悪い?
結婚する人が減っていく「少婚化」が指摘されています。
生涯独身の人が増えているというニュースを見ると結婚にネガティブな印象を受けてしまいがちですが、その背景には結婚は経済的に損をもたらすという考え方があるようです。
今回は、少婚化の現状を確認しながら本当に結婚はお金の面でマイナス要素なのかを考えてみたいと思います。
少婚化の要因、結婚による利益の減少とは
内閣府「令和元年版少子化社会対策白書」によると50歳時の未婚割合は男性23.4%、女性14.1%とその割合は年々増え続け、結婚をする人が減っていく「少婚化」が進んでいます。
少婚化の要因の1つには、結婚が経済的にマイナス、つまり「結婚は利益の減少」となるイメージを持つ人が増えていることがいわれています。
昔から結婚は経済的なマイナスのイメージがあったのでしょうか?
現状の少婚化がどの程度進んでいるのか、団塊世代との比較で確認してみましょう。
下の表は国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2017)」から男女別に生涯未婚率をまとめたものです。
男女別の生涯未婚率
出所: 国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集(2017)」
団塊世代とは、第二次世界大戦直後の1947~1949年に生まれの、今70代前半の方を指し第一次ベビーブーム世代とも呼ばれています。日本の高度成長期を現役で経験している世代ともいえます。
団塊世代の結婚時期というと20代だった1970年、30代だった1980年が多いかと思います。
団塊世代が20代、30代といった時期には生涯未婚率は男性1.7%、女性3.3%でした。
1970年代、80年代は日本の経済成長が右肩上がりだった時期であり、収入は勤続年数とともに自然に上がっていくもので、また女性は結婚して家庭に入り子どもを持って子育てに専念するというイメージが自然にできやすい状況だった時なのかもしれません。
最近の生涯未婚率は男性が23%、女性10%を超えて15%近くになっています。男性の未婚率が女性を逆転していることも今の男性の非正規雇用者の増加等の社会の様子を表しているように思います。
少婚化につながっているとされる結婚による利益の減少原因はなんなのでしょうか?昔と状況が違ってきているのでしょうか?
結婚による利益の減少の原因
結婚によってイメージできる大きなライフイベントは出産によって家族が増えることかもしれませんね。
子どもが生まれると、子育て費用、子どもの食費、教育資金等の学費と、お金がかかることは容易に想像がつきます。
単純に支出が増えるだけではなく、子どもの送り迎えのため勤務時間短縮や、場合によってはいったん退職といったお仕事の仕方の変更も考えなくてはいけなくなるかもしれません。
これらの子育てによる支出負担と収入が減ってしまうことによる利益の減少が結婚をためらわせ少婚化につながる大きな要因の1つと言われています。
この要因は、昔からある問題だと思います。
違うのは経済状況が右肩上がりではなくなっていることからくる将来不安の状態ですね。
では、これからも本当に結婚は損をもたらすライフプランにはネガティブなライフイベントであり続けるのでしょうか?