サブスクって本当にオトクなの? FPが伝える賢い活用法

貯金・家計

最近よく耳にする「サブスク」という言葉。実際、おトクなように見えるものの「本当におトクなのかな?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「サブスク」のおトクな活用方法や「サブスク」のやめどきについて解説したいと思います。

最近はやりの「サブスク」とは?

まずは「サブスク」のキホンからおさらいしておきましょう。「サブスク」とは「サブスクリプションサービス」のことを指し、月額〇〇円、という決まった金額を毎月支払って利用するサービスのことです。よく似た言葉に「月額課金」や「定額サービス」などという言葉があります。この言葉なら私たちにもなじみがありますよね。

「Netflix」や「Hulu」、「DAZN」などの動画配信サービスや「Apple Music」や「Spotify」などの音楽配信サービスなどが代表的な「サブスク」にあたります。また、最近ではブランドバッグや洋服、アクセサリーなどの「サブスク」も登場し、買うのではなく借りるというのも選択肢の一つになってきました。さらには、飲食店でも浸透しつつあり、「月額〇〇円でランチが毎日1回食べられる」とか「月額〇〇円で毎日飲み物1杯が飲める」などというスタイルも出てきました。

こうした「サブスク」は私たちの消費活動を変化させつつあります。しかし、「ちょっと高いかも」と思うような価格設定もあり、私たちが本当におトクに活用するためにはいくつかのポイントがあります。

「サブスク」のおトクな活用法

「サブスク」をおトクに活用するために、次の3点がヒントとなります。
①ほかの出費を抑えられること
②使う頻度と重要度が金額に見合っていること
③やめる基準を自分の中で持っておくこと

1つ目の「ほかの出費を抑えられること」ですが、たとえば洋服の「サブスク」はオシャレが好きな一人暮らしにはもってこいです。というのも、自分で服を所有しないことで「トレンドに合わせて好きな服を選べる」以外にも、「一人暮らしの限られた部屋の中で着ない服を保管する場所代が節約できる&部屋のスペースをほかのことに使える」というメリットがあるからです。

すべての服を保管できるような広い部屋に引っ越したり、レンタルスペースを借りたりするより、月額のほうがおトクである可能性が高いですよね。逆に、それほどスペースを取らないアクセサリーの「サブスク」などは、ほかの基準に照らして必要であればいいのですが、検討の余地が残ります。

2つ目の「使う頻度と重要度が金額に見合っていること」ですが、自身がそのサービスを利用するのに金額面、サービス面で満足しているかどうかというところになります。月額費用の妥当性を検討する必要がありますね。たとえば、月額8,000円でランチが毎日食べられるという飲食店の「サブスク」を利用する場合、そのお店のランチの相場が1食500円、職場の近くなので1か月の営業日20日で毎日確実に行けるというのであれば10,000円以下ならおトクということになります。

逆に1食500円でも毎月平均的に10営業日ほどしか外で食事できないほど忙しい、という場合は平均的に5,000円しか使わないことになるのでおトクとは言えませんよね。こういうとき、「いつもは行けてないけれど、サブスクを始めたら毎日行こう」と考える人もいると思います。しかし、それはあまりおすすめできません。なぜなら、ライフスタイルを変えることは意外と大変で思うようにいかず、結局大きく生活を変えられないままおトクに「サブスク」を活用できないことが多いからです。

3つ目の「やめる基準を自分の中で持っておくこと」ですが、自分の中でルールをあらかじめ決めておくことです。たとえば、筆者はアクセサリーのサブスクを試しに使ってみようと思ったときに「2つ以上、紛失したり壊してしまったりして自費で買い取らなければならなくなったらやめよう」「毎月2回以上交換しない月が2か月以上続いたらやめよう」という2つのルールをつくっていました。
そしてイヤリングを片耳なくしたのと、2回以上交換しない月が続いたので今はアクセサリーの「サブスク」は利用していません。自分には合わなかったのだと思い、やめてしまいました。

「サブスク」のやめどきとは?

「やめる基準」を持っておくことが大事だと言いましたが、一度始めてしまった「サブスク」は、なかなかやめどきがわからないという問題もあります。本当に毎日有意義に活用できているものであればやめる必要はありませんが、そうでなければルールを決めてやめどきを明確にしておくべきです。

ルール作りに困ったら「〇回以上使わなければ損」という損益分岐点を明確にしておくことをおすすめします。それを下回る利用頻度なら経済的には損という計算になりますよね。また、「サブスク」の中には「好きな服と何度でも交換できる」というサービスのものもありますが、交換するために梱包して返送するのも意外と大変な手間です。
「好きな服と何度でも交換できる」と聞くとわくわくする人もいると思いますが、そのわくわくが面倒な気持ちに変わって、当初想定していたよりも交換頻度が減ってしまったら「サブスク」のやめどきであるともいえます。

まとめ

いかがでしたか。「サブスク」と付き合っていくにはいくつかのルールを設定しておくことが有効です。「安いからやってみよう」と試しに使ってみるのもいいですが、放置してしまうと無駄な出費になるのでカレンダーや手帳に書いて忘れないように管理しましょう。

大塚 ちえ

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 新卒から証券会社一筋で働く、現役アラサー金融ウーマン。スポーツと音楽が趣味。金融機関勤めで得た知識と経...

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