「財形貯蓄」とは?わかりやすく解説

資産運用

財形貯蓄は、会社で働く従業員が財産を蓄えられるようにと考えられた、福利厚生制度の一つです。給与やボーナスから天引きでいつの間にかお金を貯めることができます。誰でも利用できるわけではなく、財形貯蓄制度を取り入れている会社の従業員のみが加入できる制度です。
今回は、財形貯蓄の仕組み、メリット、留意点について解説します。

財形貯蓄の仕組み

財形貯蓄は、目的別に3種類あります。
貯蓄目的が自由な「一般財形貯蓄」老後の蓄えを目的とした「財形年金貯蓄」マイホームの取得やリフォームに充てることを目的とした「財形住宅貯蓄」です。種類に限らず、給与から天引きされるので定期的な積み立てができます。

財形貯蓄制度に加入できるのは、会社員、公務員、パートタイマー、アルバイトや派遣社員です。経営者や個人事業主は加入できません。


※預金保険制度は、1金融機関につき1人1,000万円まで保障される制度です。

退職・転職するときはどうする?

退職するときは、財形貯蓄残高を全額払い出すことになります。
転職先に財形貯蓄制度があれば、退職から2年以内に手続きを行うことで転職先の財形貯蓄制度へ移すことができます。
2年以内に手続きしなかったときは、原則解約扱いとなります。それまで利息が非課税となっていた財形年金貯蓄及び財形住宅貯蓄については、退職後2年経過後から利息が課税され、税制優遇が受けられなくなります。

住宅を購入したい人は「財形住宅融資」が利用出来る

3種類の財形貯蓄のうち、どれかひとつでも利用している場合、財形住宅融資をうけることができます。1年以上の積立期間があり、貯蓄残高が50万円以上あれば、貯蓄残高の10倍以内(最高4,000万円)まで融資してもらえます。
ただし、必要資金の80%以内までです。利息は、5年間の固定金利となります。

財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄のペナルティと注意点 3つのポイント

(1)目的外の解約

目的外の解約には過去5年にさかのぼって利息に課税されるペナルティがあります。利息×20.315%相当の税金がかかります。

(2)財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の合計が550万円を超えたとき

利息の税制優遇が受けられるのは、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を合わせて550万円までです。550万円を超えたときは、利息の税制優遇は受けられません。
また、それまで非課税枠だった550万円を超えた部分だけでなく、全体に対する利息に税制優遇が使えなくなります。

(3)非課税枠の復活はない

一度非課税枠を超えてしまうと、払い出しなどで550万円以下になったとしても、非課税枠が復活することはなく、利息の税制優遇は受けられません。

財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の2つに関して、税制優遇をフルに活用したい場合は、貯蓄額を、利息を含め550万円以内にするよう気を付けましょう。

財形貯蓄は何に使う?

財形貯蓄は毎月の給与から自動的に積み立てられるため、時間が経てばまとまったお金になります。いくつかの使い道について解説します。

海外旅行など、好きなことに使う

貯まったお金をぱーっと好きなことに使ってしまいましょう。
海外旅行が趣味の方は、財形貯蓄の目的を海外旅行資金にします。海外に行くために財形貯蓄をスタートするので、良いモチベーションになります。
1年以上積み立てないと引き出せない制約も、1年後に海外旅行に行くためであればよい機会に変わるでしょう。

必要な支出にあてる ローンでなく現金購入で利息をカット

財形貯蓄を臨時的な支出のための財布にしてしまいます。
家のリフォームや修理は臨時的にかかる支出なので、あてにできる貯蓄があれば安心です。

また、大きな買い物のための資金としてもよいでしょう。
例えば、車の購入です。車は安い買い物ではないため、ローンで購入する人も少なくありません。ただし、ローンには利息がかかります。200万円を利率2.0%の5年返済でローンを組んだ場合、利息はおよそ10万円です。現金購入すれば、利息もかからないのでおトクです。

子どもがいる世帯は、教育資金という選択肢も。大学進学の場合、入学金や授業料などの出費がかさみます。
車のローンと同じように、財形貯蓄を取り崩して現金で支払えば、利息はかからずにすみますね。

投資でさらに資産を増やす

せっかくまとまった資金ができるのですから、投資によってお金に働いてもらえば、さらに資産を増やすことができます。

生命保険の一時払いで解約返戻金を増やす

終身保険など、解約返戻金がある生命保険は、保険料を毎月払うよりも一時払いにするほうが支払う保険料が総額で少なくなります。
しかも、保険料を払ってしまえば、死亡保障を持ちつつ解約返戻金を増やすことができます。

不動産投資

アパートや土地などの不動産を購入して、賃貸アパートや駐車場として貸すことで収入を得ます。収入は定期的に入ってきますので、年金感覚で収入を得られるのが魅力的なところです。
不動産投資は、立地条件次第では投資額以上に収入を得られる可能性がありますが、逆に、不人気な物件は借り手がつかなくなり、収入を得ることができなくなるリスクがあります。
投資用の不動産を選ぶ時には、長期的な視点で考えるとよいでしょう。

不動産投資をする場合は、土地・建物の費用などの初期投資以外に、固定資産税や管理費用などの定期的にかかる経費(=ランニングコスト)があることをお忘れなく。計画的に投資を行いましょう。
ただし、これらの経費は、税金を計算する時に不動産収入から差し引くことができます。

不動産収入から経費を引いた残りが所得といって、ここに税金がかかります。
経費にできるのは、定期的にかかるランニングコストや減価償却費です。減価償却費は、建物の購入額を耐用年数で割った金額をいい、経費にできます。
ちなみに、耐用年数は建物の構造により法律で決められた年数ですが、国税庁のホームページで建物の耐用年数を調べることができます。

また、不動産投資をする場合、サラリーマンでも確定申告をする必要があります。
しかし、簡単に確定申告書が作成できるサイトがあります。必要な書類をそろえれば、確定申告書もあっという間に完成します。ぜひ利用してみてください。

まとめ

一般財形貯蓄は、税金面の優遇がないかわりに、引き出しの制限はありません。財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、税金面の優遇があるかわりに、それぞれ目的外の引き出しにはペナルティがつきます。
どちらも、給与から天引きなので、貯蓄するのが苦手だという方にはオススメです。いつの間にか財産が増えているというのも魅力です。
財形貯蓄制度の利用を検討される場合、まずはお勤めの会社に財形貯蓄制度があるか、確認してみてください。

山田 香織

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、産業カウンセラー。 FP歴9年。会計事務所で11年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。 個人から...

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