コロナで高まる資産形成の需要 どうやって始める? 何から始める?

コロナで高まる資産形成の需要 どうやって始める? 何から始める?
マネーケア

新型コロナウイルスの影響で、暮らし方や働き方に大きな変化がありました。先の見えない状況で漠然とした不安を抱えている人も多いことでしょう。
2020年に給付された10万円を貯蓄したり、家計の支出を見直したりして貯蓄を増やすという「守り」の傾向がある一方で、資産形成の需要も高まっています。コロナ禍での資産形成、何からどうやって始めたらよいか解説します。

コロナの給付金はどう使った?

皆さんは2020年に給付された特別定額給付金10万円をどのように使いましたか?
ニッセイ基礎研究所の「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」によると、生活費の補填に使った人が半数を超えました。ランキングはこのようになっています。

特別定額給付金の使い道 上位10位(複数選択)

特別定額給付金の使い道 上位10位
ニッセイ基礎研究所「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」(2020年7月)より(回答者2062人)

仕事や残業が減り収入に影響があった人も多いためか、「生活費の補填」に半数以上の方が使っています。また、3位はGOTOキャンペーンなどで国内旅行、4位はステイホームや在宅ワークによる家電製品の購入・買い替えと「コロナ対策」に使われています。
この結果を見ると、特別定額給付金を「消費に回して経済を活性化させる」という政府の期待に沿っているように見えます。

しかし、2位は「貯蓄」となっており、4分の1の人が使わず貯めているという結果になっています。コロナによる不安からお金を使わずに貯めておきたいという意識が働いたといえます。
ニッセイ基礎研究所「新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」https://www.nli-research.co.jp/files/topics/64902_ext_18_0.pdf?site=nli

コロナ自粛で貯蓄が増加

実際、コロナによって貯蓄や支出にどのような影響があったのでしょうか。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所のレポートによると、家計の収入と消費支出の増減率は、次のようになっています。

家計の収入と消費支出の増減率推移(前年同月比)

家計の収入と消費支出の増減率推移
三井住友トラスト・資産のミライ研究所「新型コロナショックが資産形成の追い風に?-好条件がそろい「クセになる資産形成」への扉が開く-」より

2019年10月の消費税率アップにより消費は低迷していましたが、コロナ自粛が始まった2020年3月以降はさらに大きく減少しました。例年ゴールデンウイークで支出が増える2020年5月には前年のマイナス15%超となり、コロナでレジャーを控えた影響が顕著に現れています。

特別定額給付金の支給が始まった6月の実収入は前年比で15%ほど増えました。これを受けて消費支出も増加したものの、前年比で比べれば依然としてマイナスだったのです。事実、すぐに出金できる「流動性預金」の2020年6月末残高は前期比で30兆円増加し初めて500兆円を超えました。貯金をしたというよりは収入があっても消費されず口座に残り、意図せずとも貯蓄が増えた結果になったといえます。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所「新型コロナショックが資産形成の追い風に?」https://mirai.smtb.jp/wp/wp-content/themes/mirai/pdf/miraiken_report_210108.pdf

投信の資金流入やNISAの口座開設数も増えた

そんな中、コロナ禍により、資産運用を始める人も増えました。
同調査によると、投資信託の資金は、2020年3月から3ヶ月連続で1兆円以上増えています。

公募投資信託の資金増減額
三井住友トラスト・資産のミライ研究所「新型コロナショックが資産形成の追い風に?-好条件がそろい「クセになる資産形成」への扉が開く-」より

コロナ不安から資産形成への意識が高まったことをうけ、ネット証券会社の口座開設数も増えています。コロナにより株価は2020年3月にいったん落ち込んだものの、その後は回復傾向にあるため、投資をスタートする不安要素が減ったのも要因の一つといえます。これから資産形成に取り組み、コロナの不安を払拭したいという方は多いでしょう。

では、これから資産形成するために何から始めればいいのでしょうか。

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稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP?)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ 大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポ...

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