コロナで高まる資産形成の需要 どうやって始める? 何から始める?

コロナで高まる資産形成の需要 どうやって始める? 何から始める?
マネーケア

資産形成をしてみよう

ただ普通預金に入れておいても金利が0.001%ですからほとんど増えません。かといって知識不足のまま勇み足で投資を始めても損する可能性があります。
気軽に始められる資産形成の方法と始め方を紹介します。

①財形貯蓄・積立定期預金を利用する

まずは、元本保証でお金をコツコツ貯める方法からお伝えします。

お金を貯める基本は、収入が入ったら使う前に先取りして自動的に貯まる仕組みを作る「先取り貯蓄」です。勤務先に「財形貯蓄制度」があれば、あらかじめ設定した金額を毎月の給与から天引きして貯蓄してもらえます。勤務先によっては優遇金利を設けていたり、財形補助金が給付されたりする場合もあるので確認しておきたい制度です。

勤務先に財形貯蓄制度がなければ、金融機関で手続きして毎月設定した日に設定した金額を口座から引き落として定期預金する「積立定期預金」がオススメです。どちらも支出する前に貯蓄するので確実に貯めることができ、残ったお金でやりくりする生活習慣を身につけられるメリットがあります。

②スマホ証券を使ったポイント投資・1株投資

次のステップは投資です。今はキャッシュレス決済などで貯まったポイントを投資することで投資信託や株式を購入できます。ポイントはもともとなかったものなので、投資をして仮に損しても心のダメージが少ないものです。ですから、投資の初心者は、ポイント投資から始めるとよいでしょう。

また、スマホでの取引を前提としたスマホ証券も便利です。株通常100株単位で売買しますが、スマホ証券なら1株、数百円程度から購入できるのも魅力です。スタートは少額でも、コツコツ続ければまとまった資産になりますし。100株に達すれば株主優待ももらえます。投資の仕組みを理解する勉強としてスタートしてもよいでしょう。

ネット証券やスマホ証券はポイント投資ができるだけでなく、買い付け手数料が無料かかなり安いというメリットもあります。ただし沢山口座を作りすぎると管理が大変になります。メインで貯めているポイントの系列であるスマホ証券の口座を開設しましょう。

主なスマホ証券には、次のようなものがあります。
・LINE証券(LINEポイント使用可能)
LINE証券では1株単位で買える日本の株約1000銘柄を買える「いちかぶ」だけでなく、100株単位で本格的に株取引もすることができます。スマホ利用者のほとんどが利用しているLINEアプリと連携しています。

・SBIネオモバイル証券(Tポイント使用可能)
SBIネオモバイル証券では、東証に上場する株式を1株から購入できます。定期買付にも対応しています。

・日興フロッギー(dポイント使用可能)
日興フロッギーは紹介記事のリンクをたどるだけで株が購入できるサービス。投資や会社のことを学びながら投資ができます。

・楽天証券(楽天ポイント使用可能)
大手証券会社のひとつ、楽天証券では楽天ポイントを使った投資が可能です。楽天ポイントを使った投資信託の積立を行うと、楽天市場での買い物の際に得られるポイントの倍率が+1倍されます。

・StockPoint for CONNECT(Pontaポイント使用可能)
Pontaポイントを株に投資することで、株の値動きに合わせてポイントが増減するサービス。1株分のポイントがたまったら、実際の株に交換することも可能です。

③投資信託の積立

さらにお金に余裕が出てきたら、投資信託の積立を行いましょう。

投資信託スポット買い(1回単発で購入すること)することもできますが、その時の価額が高ければ割高なタイミングで購入したことになる可能性もあります。しかし、毎月一定額を積み立てていくと、高い時には少しだけ買いやすい時には多く買うという「ドルコスト平均法」で平均取得価額を下げることができます。さらに、ついた利息と元本両方に利息がつく「複利運用」の効果で時間をかければかけるほど資産が増えやすくなる効果があります。

投資信託の積立で利用したいのが、運用益にかかる約20%の税金が非課税になる「つみたてNISA」と「iDeCo」です。

つみたてNISAは投資信託を年間40万円、最長20年、非課税で積み立てることができます。口座開設料や口座管理料はかからず、いつでも引き出せます。購入できる商品は、手数料が安いなど、金融庁の基準を満たす商品のみ。堅実にお金が増やせます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)は自分で老後資金を形成する仕組みです。投資信託だけでなく元本保証の定期預金なども選ぶことができます。つみたてNISA同様運用益が非課税になるだけでなく、積み立てた全額が所得控除になり所得税・住民税が安くなるメリットもあります。たとえば、年収400万円の方が月2万円ずつ年間24万円iDeCoの掛金を支払った場合、所得税・住民税が3万6000円軽減されます。

ただし、原則60歳まで引き出し不可で、口座開設時に約3000円の口座開設手数料がかかる点、一定の口座管理手数料がかかる点は覚えておきましょう。とくに口座管理手数料のうち、金融機関手数料はどの金融機関でiDeCoをするかで変わります。もちろん、金融機関手数料が無料の金融機関を選ぶのがおすすめです。

投資をするときの注意点

投資でリターンを求めるにはリスクがともないます。投資用語でいう「リスク」とは価格が上がったり下がったりするブレ幅の大きさのことです。資産形成するうえでリスクを軽減させるには、時間をかけて分散投資をすることが必要です。

長い時間をかけて、積み立てでタイミングを分散しながら、分散した商品(株式投資か債券投資か、先進国か日本か新興国かなど)で運用していくとリスクはかなり抑えることができます。短期的な価格の増減で一喜一憂せず、「時間をかけて資産を育てていく」というスタンスでいることがポイントです。

筆者の実際のお客様で2003年から先進国株と新興国株の投資信託に毎月2万円ずつ15年積み立てて、(途中ネット証券会社のパスワードを忘れるくらい放置して)思い立ってログインしてみたら積立額720万円が1100万円になっていた方がいらっしゃいました。この低金利の中、このように資産形成をしていらっしゃる方もいるのです。

コロナという予想できなかった事態で、ライフスタイルの仕事の仕方も様変わりしています。もとに戻るというよりは、変化に対応してこれからに合わせて柔軟に生活スタイルを変えていく方が前向きなのではないでしょうか。変化のタイミングがチャンスにつながります。

資産運用もこれから資産を増やすための変化。決して夢物語ではありません。リスクを理解したうえで自分に合った方法で始めていきましょう。

稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP?)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ 大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポ...

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