円安になったら外貨建て保険を始めた方がいい?外貨建て保険の仕組みとメリット・デメリットを解説

円安になったら外貨建て保険を始めた方がいい?外貨建て保険の仕組みとメリット・デメリットを解説
マネーケア

外貨建て保険のメリット・デメリット

では、外貨建て保険のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

外貨建て保険のメリット1:保障を得つつ貯蓄できる

外貨建て保険も保険ですから、保障が得られます。終身保険や養老保険の場合、たとえ1回しか保険料を払っていなかったとしても、保険金が支払われるべき万が一のことがあれば、保険金が受け取れます。このような保障を準備しつつ、将来のための貯蓄もできるのは保険ならではのメリットです。

外貨建て保険のメリット2:外貨ベースの元本保証がある

外貨建て保険は、保険料を外貨で払い、保険金や年金、解約返戻金も外貨で受け取ります。保険金や年金として受け取る場合には、外貨ベースの元本保証があります。

外貨建て保険のメリット3:金利が円建て保険より高い

外貨建て保険は、保険会社の運用も外貨でなされます。超低金利が続く日本円の金融市場と異なり、外貨では日本円より金利が高く運用できます。高金利で運用できるので、外貨建て保険の貯蓄性が高くなるのです。

外貨建て保険のメリット4:生命保険料控除が受けられる

また、外貨建て保険といえども保険ですから、生命保険料控除が受けられて節税になります。所得税や住民税が安くなるので、節税分も加味するとさらに有利に資産づくりができます。生命保険料控除は、生命保険と個人年金保険は別枠ですから、両方とも加入して節税効果をしっかり生かすことができます。

一方、デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

外貨建て保険のデメリット1:為替リスクが大きい

外貨と日本円は、為替レートが刻々と変動します。そのため、為替レートの変動によっては、為替差益が出ることもありますが、為替差損が出てしまうこともあります。

まず、保険料について考えてみましょう。毎月の保険料が毎月100ドルだとして、1ドル=100円であれば保険料は1万円です。

1ドル=80円の円高になれば8000円ですから、保険料を払う時には円高のほうが有利です。しかし、1ドル=120円の円安になると1万2000円、さらに円安が進んで1ドル=150円になると1万5000円も払うことになります。

その後、解約したり保険金や年金を受け取ったりする時はどのようになるでしょうか。

たとえば、解約返戻金が5万ドルだとします。1ドル=120円なら600万円、1ドル=150円なら750万円ですが、1ドル=80円の円高なら400万円です。

つまり、円安の時に保険料を払い、円高になってから保険金や解約返戻金を受け取るのは不利と言えます。外貨建て保険は金利が高いことがメリットですが、お金を受け取る時に円高になると、金利が高くても損失が出てしまうことに注意が必要です。

元本保証をうたっている保険であっても、保証は外貨ベース。日本円に換算した場合には元本割れになることもあります。

外貨建て保険のデメリット2:手数料や解約控除が高い

外貨建て保険は手数料や解約控除(解約する時の手数料)が高く、実際に手元に残るお金が少なくなる仕組みにも注意しましょう。外貨建て保険は、日本円で払った保険料を外貨にかえて運用します。そして、保険金や解約返戻金の受取り時にも外貨から日本円にかえます。

外貨と円を両替するたびに為替手数料がかかり、この手数料は契約者負担です。

つまり、円建て保険よりも高いコストがかかるのです。

また、解約した場合に差し引かれる解約控除が高い商品が多くあります。保険金や年金で受け取る場合には有利でも、解約返戻金を受け取る場合には高金利の恩恵が十分生かされないケースもあります。

<外貨建て保険のメリット・デメリット比較表>

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タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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