30年間でどう変化した?身近なお金の変動を徹底調査!
多くの人がスマホを持ち、パソコンを使った仕事が増えてネット通販も一般的になるなど、この30年間で生活や仕事は大きく変化しています。その一方で、給与はあまり上がらず、生活にかかる出費も増えるなど「30年前よりも家計は厳しくなっている」という声も少なくありません。
そこでこの記事では、30年前と今とで身近なお金がどのように変動しているのかをくわしく紹介していきます。
今から30年前!1992年はどんな年?
2022年から遡ること30年、1992年は夏季・冬季と2つのオリンピックが開催された年です。この年に、東海道新幹線「のぞみ」と山形新幹線「つばさ」が運行をスタート。長崎県にある「ハウステンボス」もオープンしました。
また、子どもが1歳になるまでの期間、父親か母親のどちらかが育児休業を取る権利として「育児休業法」が施行されたのも1992年です。一方で、15歳未満の比率が過去最低を記録し、この頃から「少子化現象」が取り上げられ始めました。
暮らしのお金は30年間でどう変わった?
給与や納税額、物価など、この30年間で暮らしにかかるお金は大きく変わっています。ここでは、何がどのくらい変化しているのか、くわしく見ていきましょう。
ピーク時よりも約25万円の低下!平均給与の30年間の推移
まずは、平均給与の30年間の推移を見ていきます。国税庁が公表する「民間給与実態統計調査」は、直近のデータが2021年だったため、ここでは1991年~2021年までの30年間を比較していきます。
同データによると、1991年の給与平均は446万円。このうち男性の平均給与額は547万円、女性は262万円となっていました。一方、2021年の給与平均は443万円。このうち男性の平均給与額は545万円、女性は302万円となっています。
この2つの年だけを比較すると、平均給与にあまり差はありませんが、女性の給与は40万円アップしていることが分かります。以下の表で、1992年~2021年までの平均給与の推移についても見ていきましょう。
30年間の平均給与の推移
この30年間でピークだったのは1997年で、平均給与額は467万3,000円でした。この年と2021年を比較すると、その差は24万3,000円となります。その翌年から給与平均の低下が始まりましたが、2009年に405万9,000円となって以降、現在まで平均給与は上昇傾向が続いています。
消費税は3%から10%へ!物価は上がり続けている
ピーク時には届かないものの、平均給与は上昇傾向が続いており、金額だけで見ると30年前とほぼ同じです。しかし、1992年は3%であった消費税は2019年より10%に引き上げられ、30年前は10,300円で買えていた洋服も現在では700円の値上げとなりました。
また、商品の平均的な値動きを示した「消費者物価指数」も1992年は95.8%。かつては基準の値段よりも5%ほど安く食品などが買えていましたが、2022年8月時点では102.7%となっており、ものの値段は現在3%近く値上がりしています。そのため、たとえ30年前と同じ給与であったとしても「生活が厳しい」と感じやすいのは、こうした税負担や物価の上昇が関係しているといえるでしょう。