30年間でどう変化した?身近なお金の変動を徹底調査!

30年間でどう変化した?身近なお金の変動を徹底調査!
マネーケア

【項目別】30年前と今のものの値段を比較!

ここからは食品や光熱費など、生活にかかわるお金が今と昔でどのくらい変化しているのか、具体的な金額で確認していきましょう。

米の価格は低下!値上がり品も多い「食品」

原材料の高騰などから、10月には6,000品目を超える値上げが行われた食品類。とくに、加工食品や乳製品などに大きな影響が及んでいますが、30年前と今とではどのような変化があるのでしょうか。次の表で、主な食品の今と昔を比較してみましょう。

参照:総務省統計局「小売者価格統計調査(動向編)」※東京都区部で比較
※1:2022年10月時点の直近データ(2021年)より30年前の価格で比較
※2:2011年に「うるち米(複数原料米)」が調査終了のため「うるち米(単一原料米)」で比較

物価上昇が厳しい昨今ですが、米の値段は30年前よりも安くなっていることが分かります。一方で、輸入が必要な食品などは30年前と比べても値上がり傾向です。今後もしばらくは食品の値上がりが続くといわれているため、引き続き買い物の仕方には工夫が必要となるでしょう。

チケット代や鉄道運賃の値上げが続く「旅行費用」

テーマパークのチケットや鉄道料金なども、この30年間で変化しています。たとえば、1983年に開園した東京ディズニーランドは、開園当初のチケット価格が3,900円。1992年は400円の値上がりが行われ、4,800円でした。その後も価格の見直しは繰り返されており、2021年10月以降は最大で9,400円まで価格が上がっています。

また、東京都区部の鉄道の通勤定期代(JR以外)は1992年に1ヶ月6,900円でしたが、現在では8,222円まで値上がりしています。さらに、2023年3月~4月にかけて全国的に鉄道運賃の改定が行われるため、今後の値動きにも注目しておくとよさそうです。

原料費高騰により価格上昇が続く「光熱費」

今年に入り高騰が続いている光熱費についても見ていきましょう。ここでは、現在の金額と比較が可能なデータをもとにその変化を見ていきます。

まず、電気代は東京電力が現行の料金制度をスタートした2004年と今の価格を比較。同社が公表するデータによると、7月~9月の平均モデル電気料金(※1)は6,418円でした。それに対し、2022年の9月分は9,126円と、2,708円の上昇が見られています。
(※1)従量電灯B・30A契約、使用電力量260kWh/月、口座振替の場合
内訳:基本料金+電力量料金(燃料費調整額含む)+再生可能エネルギー発電促進賊課金-口座振替割引額=平均モデル

また、ガス代も現在の金額と比較できるデータとして、2000年からの小売物価統計調査を確認しました。同データで東京都区部の1ヶ月に都市ガスを1465.12MJ利用した料金を比較すると、2000年は4,738円。直近の数値である2021年は4,888円となりました。この21年間でのピークは2014年の6,000円であるため、昨年まではピーク時よりも安いことが分かっています。

とはいえ、ものの値段の上昇率が分かる消費者物価指数では、電気・ガス代ともに2022年8月時点で前年比20%超えのため、家計に大きな影響を与えているといえそうです。

携帯電話を持っていない人も多かった「家電製品」

今や1人1台が当たり前のようになっているスマホですが、30年前はdocomoから小型で軽量化された携帯電話「mova(ムーバ)」が登場した時期でした。当時の初期費用は、保証金10万円に新規加入料4万5,800円、毎月の端末レンタル料・回線使用料の1万7,000円に加えて通話料金の支払いも必要だったといいます。そのため、当時の携帯電話普及率は1%程度だったようです。

一方現在は端末の種類が増え、毎月の支払料金を抑えられるプランも登場。例えばdocomoで「iPhone14(128GB)」を購入した場合、2022年10月時点で次のような価格設定が選べます。

※1:料金プラン:5Gギガホ プレミアデータ量無制限
※2:23か月目にいつでもカエドキプログラム利用(23回払い)の場合

2022年10月時点のiPhone最新機種であっても、30年前と比べると初期費用と月額使用料ともに安くなっていることが分かります。端末を一括購入すれば月々の負担が減り、分割にすれば初期費用を抑えることも可能となりました。もちろん、メーカーにこだわらなければより安価に手に入る機種もあるでしょう。

このように、30年前と比べると手頃な価格で購入しやすくなったことから、モバイル端末の保有率は2019年時点で80%を超えています。

また、30年前のパソコンはモノクロのものが主流で価格は20万円台からというのが一般的でした。そのため、1992年に12万8,000円のデスクトップ型パソコンが登場したことが話題となったようです。現在はカラーのノートパソコンが10万円以下で手に入ることを考えると、スマホやパソコンはこの30年間で手に入りやすいものに変化していることが分かるでしょう。

30年間で値下がりした「ファッション」

家電製品同様、洋服もこの30年間で手に入りやすくなったアイテムです。小売物価統計調査で、直近の2021年のデータと30年前、1991年の価格を比べてみましょう。

参照:総務省統計局「小売者価格統計調査(動向編)」※東京都区部で比較

こうした値動きには、安価でトレンドの服が購入できるファストファッションの登場などが影響していると考えられます。一方で、近年は環境や人権に配慮して作られた「スローファッション」に共感する割合が増えていることから、今後は価格や流行だけではないファッションに注目が集まると示唆されています。

お金の変化に合わせた上手な資産形成を目指そう!

身近なものの値段で今と昔を比較していくと、値上がりしているものと手に入りやすくなっているものが明確になりました。また、平均給与は上昇傾向が続いていましたが国民負担額が増えているため、収支のバランスを考慮する必要がありそうです。最近は少額から始められる投資もあるため、給与以外で資産を増やすことも可能です。今回の記事も参考に、身近なお金の変化に合わせて、上手に資産形成を行っていきましょう。

mihoco

美容技術者からライターへ転職。ワークライフバランスの良い働き方を模索中です。 資産形成にも興味あり。情報を的確にとらえて分かりやすく伝えていけたらと思ってい...

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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