転勤に退職…ペアローンで住宅購入した夫婦を襲った想定外の事態とは?

転勤に退職…ペアローンで住宅購入した夫婦を襲った想定外の事態とは?
マイホーム・住宅ローン

生涯でもっとも高額な買い物の1つとされる、不動産。共働き世帯の場合、夫婦2人でローンを組むという場合も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、ペアローンでマイホームを購入した筆者知人のお話。次から次へと予想外な出来事に見舞われた夫婦の話をもとに、ローンを組むときに気をつけたいことについて考えていきます。

▼Fさん夫婦プロフィール
・夫32歳 会社員
・妻31歳 会社員
・子供4歳

夢のマイホーム購入!共働きでローン返済も楽観

結婚2年目でマイホームを購入したFさん夫婦。当時は子供もおらず、妻も正社員で働き続ける予定だったため、マイホーム購入時には夫婦2人の収入を合わせてローンの審査を受けたそうです。

共働き世帯では、Fさんのように夫婦2人で住宅ローンを組むというケースも多いもの。ここでは、夫婦2人でローンを組む際によく比較される「ペアローン」と「収入合算」の違いについておさらいしておきましょう。
「ペアローン」と「収入合算」の違い
表:筆者作成

住宅ローンで2人の収入を合わせると、借入額を増やせるというメリットがあります。
Fさん夫婦は、ローン契約時の手数料は2倍になるものの、もしものときにローン返済の免除などが可能となる「団体信用生命保険」への加入や、税金の支払いが軽くなる「住宅ローン控除」が夫婦それぞれで対象となるペアローンを選択。翌年には子どもが生まれ、家族3人でマイホームでの暮らしを満喫していたそうです。

予想外の事態が次々発生!ローン返済はどうなる?

夢のマイホームで子育てを楽しんでいたFさん夫婦でしたが、次々に予想外の事態に見舞われてしまいます。

予想外の事態1:産休育休で妻の収入減!

ローン契約後まもなく、産休育休を取得した妻。当初は、産後6か月ほどで職場復帰する予定だったそうです。ところが、Fさんの住む地域は、Fさんと同じように共働きの子育て世代が多数暮らす保育園激戦区。ただでさえ定員の少ない0歳児クラスは、常に満杯の状態でした。

予定していた産後6か月での復帰はおろか、子供が1歳になっても待機児童のまま。妻の貴重な収入源だった育児休業給付金も、育休開始6か月以降は支給率が引き下げられてしまい、家計を圧迫し始めていました。

予想外の事態2:会社の状況が急変し、夫が転勤!

妻が職場復帰できず先行きに不安を抱えていたころ、夫にも大きな変化が訪れます。夫の勤め先は転勤の可能性がほぼない会社だったものの、妻の育休中に親会社に吸収合併されることになり、転勤しなければならなくなったのです。

買ったばかりのマイホームを空き家にしたくない思いと、妻の職場復帰のことを考えると、単身赴任せざるを得ないという結論を出したFさん夫婦。生活拠点が2か所となったことで生活費が増え、ますます支出は増えていったそうです。

予定外の事態3:ワンオペでの育児と仕事の両立が限界に…妻の退職

夫の単身赴任開始と同時期に、ようやく仕事に復帰できることになった妻。夫のいないマイホームで子供を育てながら、慣れない保育園通いに仕事にと奮闘していました。もともと体力には自信があった妻ですが、半年ほど経過した頃、ついに体調を崩してしまいます。

まだ幼く、体調を崩しやすかった我が子。保育園からの急なお迎え要請がかかることも少なくなく、そのたびに会社を休まざるを得ませんでした。病児保育も空きがないことが多々あり、月の半分ほど休んでしまうということもありました。思うように進まない仕事に歯がゆい思いをする一方で、幼い我が子に無理をさせているのではないかと思い悩む日々。ワンオペでの育児と仕事の両立に、限界を感じたそうです。

ひとまず、休暇をとって体調が回復するのを待った妻。夫も週末のたびに帰宅し、できる限りサポートをしましたが、根本的な解決には至りませんでした。夫婦でよく話し合った末、妻は退職することを決意。しばらく専業主婦として暮らしながら、心身ともに回復することを第一に優先したのでした。

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金谷 ひつじ

フルタイムワーママから、ライターに転向。買い物前にSNSで情報収集するのが趣味。 家事も育児も仕事も趣味も、まだまだ欲張りたい2児のママライターです。

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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