転勤に退職…ペアローンで住宅購入した夫婦を襲った想定外の事態とは?

転勤に退職…ペアローンで住宅購入した夫婦を襲った想定外の事態とは?
マイホーム・住宅ローン

マイホームを手放すしかないの?夫婦が下した決断とは

妻が退職してしまい、大きな収入源を失ってしまったFさん夫婦。月々の住宅ローンの返済も厳しい状況に追い込まれてしまいましたが、このままマイホームを手放すしかないのでしょうか?

もちろん、何度となくマイホームを手放すことを検討したというFさん夫婦。しかし、今マイホームを売りに出したとしても、ローンを完済できるほどの売り値にはならないのが現実でした。
仮にマイホームを手放して賃貸に住み替えたとしても、手放したマイホームの住宅ローンの返済にプラスして、賃貸家賃の支払いが必要となります。今の状況では、マイホームを手放すことが必ずしも正解ではないという結論に至りました。

そこで、ついに親に相談したFさん夫婦。ご両親からお金を借り、何とか滞りなくローンを返済し続けることができました。親子間でお金の貸し借りや贈与をする場合、贈与税がかかる場合もあります。Fさんは贈与税がかからない110万円以内に借入金額を抑え、必ず返すことも約束しました。

こうしてピンチをしのぎ、休養していた妻の体調も徐々に回復してきたそうです。子供が3歳になるのを機に幼稚園に入園しなおし、現在はパートとして仕事に復帰。正社員の頃と比べるとやはり収入は減ったものの、無理のない範囲で育児と仕事を両立させながら、何とか自力でローンを返済できるようになったそうです。

ローン契約時に気をつけておきたいこと

両親の力を借りて何とか急場をしのいだFさん夫婦ですが、このような窮地に陥らないためには、何に気をつければよかったのでしょうか?ここでは、ローン契約時にぜひ気をつけておきたいポイントを見ていきます。

自分の収入に見合った借入金額を設定する

住宅ローンを組むときは、自分の収入で借りられる最大金額を借りる必要はありません。借りられる金額=返せる金額ではないからです。一般的には、年収の25%以内に住宅ローンの返済額を抑えたほうがいいと言われています。夫婦の収入を合わせると、確かに借入金額は大きくなりますが、それが自分たちの身の丈に合った金額かどうかも、しっかり見極めることが大切です。

「生活予備費」を用意できる金額を考える

「生活予備費」とは、予想外の事態が発生して収入源がなくなったとしても暮らしていけるために、備えておくお金のことです。会社員なら生活費の3~6か月分、自営業なら1年分ぐらいの備えがあれば安心とされています。

まずは、住宅ローンの頭金に手持ちの貯金をつぎ込んでしまい、生活予備費ゼロ!という事態は避けましょう。そして、返済プランを考えるときも、月々の手取りから貯金に回すお金を差し引いても返済可能かどうかを考えてみてくださいね。

想定外の事態にも対応できる準備を!住宅ローンの見極めは慎重に

夫婦2人で住宅ローンを組むと、1人でローンを組むときよりも、借入金額を増やすことができます。しかしそれは、返していく金額も1人のときより大きくなるということを、きちんと理解しておかないといかせません。

契約時には、無理のない計画が不可欠です。多くのメリットがあるペアローンですが、人生には想定外の事態がつきもの。夫婦どちらかが働けなくなっても生活の基盤を守れるよう、自分たちに見合った額のマイホームを見つけたいものですね。

金谷 ひつじ

フルタイムワーママから、ライターに転向。買い物前にSNSで情報収集するのが趣味。 家事も育児も仕事も趣味も、まだまだ欲張りたい2児のママライターです。

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

プロフィール

関連記事一覧