2020年6月から国民健康保険料が値上げに!すぐにできる対策とは?

マネーケア

国民健康保険は、主に自営業やパート・アルバイト等、会社の健康保険制度に加入していない方を対象とした、各市区町村が窓口になっている公的な医療保険制度です。その国民健康保険加入者が支払う国民健康保険料が2020年6月に改定が予定されています。
今回はこの改定で、どのような場合に保険料が値上がりするのか、そしてその対策として国民健康保険料を下げる方法について解説します。

6月の国民健康保険料値上げの概要

今回の改定のポイントは保険料の上限額の引き上げ(NHK/政治マガジン)です。

保険料は、「医療分(基礎賦課分)」と、「支援金分(後期高齢者支援金等分)」を合計して計算します。医療分の上限額は現行の61万円から63万円に引き上げられます。支援金分の上限は19万円のままなので、上限額を納める加入者にとっては、医療分については年間2万円の値上がりとなり、上限額が80万円だったのに対し、最高82万円の保険料を払うことになります。

なお、40~64歳までの対象者が払う介護分の保険料も、上限額が現行の16万円から17万円に引き上げられます。介護保険第2号被保険者(40~64歳)である加入者の場合は、医療分と介護分で年間3万円値上がりすることになり、上限額が96万円だったのに対し、最高99万円の保険料を払うことになります。

一方、軽減判定所得(一定基準以下の所得)の一部の条件が緩和されることで、保険料が前年よりも減額となる世帯が拡大することも見込まれています。

国民健康保険料の上限額改定により、値上げとなる世帯の所得水準は?

国民健康保険料の額は、基本的に前年の所得をもとに計算されます。
今回は東京都江東区の単身世帯を例に、医療分+支援金等分で試算してみましょう。

保険料の計算方法

下記の(1)+(2)で算出します。

(1)医療分=所得割(年間所得額※×保険料率)+均等割額×加入者人数
(2)支援金分=所得割(年間所得額※×保険料率)+均等割額×加入者人数
※年間所得額は、所得の合計額から基礎控除33万円を引いた額

江東区の医療分の保険料率は7.14%、均等割額は3万9900円、支援金分の保険料率は2.29%、均等割額は1万2900円です。

前年の所得が860万円の単身者だとすると、

(1)医療分=((860万円-33万円)×7.14%)+3万9900円×1人
(2)支援金分=((860万円-33万円)×2.29%)+1万2900円×1人

(1)医療分が63万378円、(2)支援金分が20万2283円と計算されます。
現行では上限額が医療分61万円、支援金分19万円のため、納める保険料は80万円だったのに対し、改定後は医療分の上限が63万円に引きあげられているので、納める保険料は上限の82万円となります。つまり、前年の所得が約860万円以上の単身世帯だと、年間2万円の値上がりとなります。

NEXT:「前年の所得が840万円の単身者の場合」

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小野 みゆき

中高年女性のお金のホームドクター 社会保険労務士・CFP・1級DCプランナー・年金マスター・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 企業で労務、健康・厚生...

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