募金をしたら税金が安くなる 寄附金控除を賢く利用するには
ある日突然やってくる天災。地震や水害など大きな災害の復旧には時間もお金もかかります。その時私達ができる支援策のひとつが「募金」ですが、実は募金と税金は深く関係しています。そこで、今回は募金をすると税金がどうなるのかを一緒に確認していきましょう。
節税になる募金の種類
「募金」と言っても、駅など街頭での募金や町内・地域での募金、その他NPOやNGO等の団体への募金などいろいろありますが、募金の目的やお金の使い方は様々。「募金するならどこでも同じでしょう?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
募金には節税になる募金とならない募金があります。
では、どのような募金が節税になるのでしょうか?節税になる募金、それは「控除」を受けられる募金です。
たとえば、日本ユニセフ協会、日本赤十字、自動車安全運転センター、国立大学法人、私立学校法人、社会福祉法人、交通遺児育英会、認定NPO法人等(内閣府ホームページに掲載)などがあります。ただし、学校の入学に関してするものは対象とはなりません。
税金が安くなる仕組み
募金をしたら税金が安くなる仕組みは、「控除」の活用です。控除には所得控除と税額控除の2つがありますが、所得控除は所得から差し引く控除、税額控除は税金から差し引く控除です。
ここで、まず一般的な会社員の税金について見ていきましょう。
会社員は毎月の給料やボーナスから税金や社会保険料が天引きされますが、生命保険料や地震保険料などの控除は毎月の給料やボーナスでは考慮されていません。
そこで、年末調整で生命保険料などの控除を引いて1年間の税金を計算します。
こうして、あらかじめ天引きされている税金から控除に相当する分の税金が戻ってくることになります。
下記の図〈所得税の計算の流れ:会社員の場合〉で確認していきましょう。
左側に1年間の給料・ボーナスがあります。
そこから給与所得控除と、所得控除(①)を差し引いて課税所得を計算します。
そして、課税所得に税率をかけて税額を計算します。
その税額から税額控除(②)を差引いて、納める税金が算出されます。
①と②が増えると納める税金が少なくなりますので、手取りは多くなります。
所得税の計算の流れ:会社員の場合
図:筆者作成
募金が①の所得控除の対象となる場合には「寄附金控除」、②の税額控除の対象となる場合には「寄附金特別控除」を受けることができるということです。
募金をする時には控除の対象になるのかどうか、確認しておくといいですね。