生涯独身、結婚子持ち、女性が将来もらえる年金はどれくらい差がある?
ケース(1)生涯独身の場合
この場合38年間厚生年金に、40年間国民年金加入しています。年金を計算するときは、月単位で計算するので、38年間だと(38年×12か月)456か月になります。
●老齢基礎年金:77万9300円
●厚生老齢年金:163万2742円
定額部分 1,625円×1.000×456=74万1,000円
比例報酬部分 34万円×5.769/1000×456×0.997*=89万1,742円
(*は物価調整スライド特例措置)
●老齢基礎年金+厚生老齢年金:241万2,042円
生涯独身の場合は、65歳以降、年間241万2,042円を年金としてもらえることになります。
ケース(2)結婚子持ちで扶養の範囲内で働く場合
一方、30歳まで会社員として働き、一旦仕事を辞めて再びパートなどで40歳から働いた場合は、96か月が老齢厚生年金をもらえる期間となります。たとえパート収入があったとしても、夫の扶養の範囲内で働くとすれば、40歳からの年金部分は厚生年金にはなりません。ですから、厚生年金8年間(96か月)と国民年金40年の加入期間になります。
●老齢基礎年金:77万9,300円
●老齢厚生年金:34万3,735円
定額部分 1,625円×1.000×96=15万6000円
比例報酬部分 34万円×5.769/1000×96×0.997*=18万7,735円
( *は物価スライド特例措置)
●老齢基礎年金+厚生老齢年金:112万3,035円
結婚子持ちで扶養の範囲内で働く場合は、65歳以降、年間112万3,035円がもらえます。
仕事を続けるかどうかで大きな差が生じる
女性にとって仕事と家庭の両立は簡単ではありませんが、働き続けた場合のケースと一旦仕事を辞めてパート場合の差額は、1年間130万円弱にもなります。
今回、将来もらえる年金だけをくらべてみましたが、働いていれば家計全体の収入も増え、貯蓄や投資にお金を振り分けることもできます。女性の働き方次第では、人生設計に大きな差が生じます。
まとめ
2017年の総務省の労働調査では、30~34歳の働く女性の割合は75.2%という結果が発表されています。2017年10月から育児休業も最長2歳まで認められるようになりました。
今は変化が大きい時代なので、長く勤めていけるスキルを身につけていないと新たに就職したり、仕事を継続していったりすることが難しくなります。仕事か家庭かではなく、時短勤務などを利用するなど両立できる環境づくりを考えることが必要になるでしょう。