2020年どう変わる?「つみたてNISA」をわかりやすく解説!
つみたてNISAのデメリットと注意点
一方、つみたてNISAにもデメリットと注意点があります。
つみたてNISAで保有している投資商品が値下がりした後に売却し損失が出たときでも、他の口座(一般口座や特定口座)で保有している金融商品の利益との相殺(損益通算)はできません。
つまり、つみたてNISAでは利益が出れば非課税のメリットを受けられるのだから、損失が出た場合には税金面で優遇されないデメリットがあるワケです。
注意点としては、つみたてNISAと、すでに運用が始まっているNISAは同時に利用できず、各年どちらか一方の利用に限られること。
少額からコツコツと時間をかけて運用する「つみたてNISA」と、短い期間に集中して投資する「NISA」の、どちらか一方を選択することになります。
ただし、年単位でNISAからつみたてNISA、つみたてNISAからNISAへ変更することは可能です。
おトクにつみたてNISAを活用するには
つみたてNISAでは、定期的に一定額の購入を行ないます。金融機関によっては毎月の他、隔月、6カ月ごとなど、購入するタイミングを選択することができます。
積み立てられる最低金額も、金融機関によって異なり、100円からでも始められます。
毎月のお給料から積み立てることもできますが、それが難しいならボーナスを利用して年に2回購入するのもひとつの手です。
非課税期間20年間が終わると、つみたてNISA勘定内のETFや株式投資信託は、非課税口座から特定口座や一般口座などの課税口座に移ります。
売却せずに課税口座に移行する場合は、移行時の価額が新しい取得価額となり、そこから増えて得た利益に対して税金がかかるようになります。売却のタイミングを見極めて、できるだけ非課税期間に利益を確定することが、おトクにつみたてNISAを活用する秘訣でしょう。
もし、年間40万円の積立では物足りないと思われたなら、ご家族を含めた利用を検討されてはどうでしょうか。
もっともNISAで購入できる投資商品は元本保証ではありません。
貯蓄に回す金額を全て、つみたてNISAに振り分けるのではなく、貯蓄と投資のバランスを上手にとりながら、無理のない範囲で活用してください。
まとめ
NISA制度は、非課税投資上限枠のうち使わなかった枠は翌年に繰り越せない仕組みがあり、その分節税チャンスを逃すことにつながります。
気になった時が始め時。まだ投資をしたことがない人は、まずは口座開設だけでも手続きしておくことをオススメします。
執筆者:ファイナンシャルプランナー(CFP) 辻本 由香