国債について学ぼう! 「政府保証債」ってなに?
国が発行するのが「国債」。一方、法律によって設立された、政府の関係機関や株式会社が発行する債券のうち、国が額面と利息の支払いを保証しているのが「政府保証債」です。今回は「政府保証債」を解説します。
政府保証債とは
債券とは、お金を借りた機関が発行する「借用証書」です。額面(借りた金額)・利率(利息)・償還期限(満期)が記載されていて、一定期間ごとに利息の支払いを受け、満期まで持っていれば、借りた金額が返済されます。
その中でも政府保証債は、満期時においての借りた金額と期間内の利息の支払いを、国が保証してくれるもので、国債と同等の信用力があります。その上、一般的に国債よりも利率が高いというメリットもあります。
平成29年度政府保証債の発行機関のうち、なじみ深い団体や会社は、
・全国健康保険協会
・預金保険機構
・株式会社日本政策金融公庫
・独立行政法人国際協力機構
・原子力損害賠償支援機構
・株式会社東日本大震災事業者再生支援機構
・新関西国際空港株式会社
・中部国際空港の設置及び管理に関する法律により指定された法人
など、16の機関にわたります。
なお、政府保証債の名称は、「政府保証第〇〇回【発行機関】債券」となっています。
政府保証債の特徴と注意点
政府保証債は、満期まで保有すれば借りた金額、期間中の利息が保証されるので、安全性が大変高い商品です。しかし、期間の途中で売却する場合、購入した額よりも低くでしか売れなかったときは売却損が発生するという、価格変動リスクがあります。「保証」という言葉に惑わされてしまいますが、いつでも元本が保証されるというわけではありません。償還期限は2年から40年など長期のものもあり、固定金利で半年毎に利息の支払いがあるなどは国債と同じです。
政府保証債を取り扱っている金融機関は、銀行と証券会社ですが、販売先は機関投資家が多く、個人向けに販売されることはほとんどありません。
活用のポイント
政府保証債は個人で購入できないとはいっても、私たちと全く無関係ではありません。
国内債券を中心に購入している投資信託(ファンド)の中には、国債、地方債、政府保証債などで安全性を高めている商品も多くあります。国内債券型の商品を選ぶ際には、どのような債券の割合が多いかを知ることによって、そのファンドの安全性を計ることができます。
まとめ
政府保証債は一般的にはあまり知られていませんが、私たちの生活に密着に関係している機関が発行しており、国が額面と利息の支払いを保証しているという、安全性の高い商品です。
このような特徴を知った上で、購入を予定している投資信託に政府保証債が含まれているかなどを確認してみると、より身近な存在になるかもしれませんね。