投資型クラウドファンディングを法律別、J-REITとも比較!何がどう違うの?

投資型クラウドファンディングを法律別、J-REITとも比較!何がどう違うの?
マネーケア

不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITはどう違う?

複数の投資家が出し合ったお金で不動産を購入し、運用するというと、J-REITも同様の仕組みを持っています。J-REITは、投資から集めたお金を運用のプロが不動産に投資する投資信託です。

不動産投資型クラウドファンディングもJ-REITも、本来ならば高額な資金が必要な不動産投資を1万円程度の少額からでもできるようにしている点は同じです。しかし、不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITでは、次のような違いがあります。

不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITの違い①:投資できる不動産が違う

不動産投資型クラウドファンディングでは一般的に、マンションやホテルといったひとつの不動産に対して投資を行います。あらかじめどこに投資するかが公開されていて、投資家は投資したい不動産を選んで投資を行います。自分の投資したい物件を十分に吟味することが可能です。

それに対してJ-REITでは、主に規模の大きい不動産に分散投資を行います。「オフィス」「ホテル」「物流施設」「商業施設」など、J-REITの銘柄によって投資対象はある程度分かれているものの、具体的にどこのどの物件を購入するかまでは決められません。ただ、複数の物件に投資しているので、どれかで損失が出ても、他の物件でカバーする効果は期待できます。

不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITの違い②:価格変動が違う

不動産投資型クラウドファンディングは、市場では取引されていません。一度運用がスタートすると中途解約ができません。そのため、価格変動はありませんが運用期間中は資金が拘束されます。一方のJ-REITは、日々市場で売買されていますので、価格変動があります。もちろん、価格が値上がりして得することもありますが、同時に値下がりして損してしまう可能性もあります。

不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITの違い③:売却のしやすさが違う

不動産投資型クラウドファンディングは、運用がスタートしたら運用終了まで売却・換金することができません。その点、J-REITならば市場の開いている時間であればいつでも売却・換金できます。

不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITの違い④:かかる税金が違う

不動産投資型クラウドファンディングの分配金は「雑所得」で総合課税の対象です。不動産投資型クラウドファンディングの会社が分配金から20.42%の税金を差し引いて振り込んでくれます。雑所得が20万円以下であれば、確定申告は不要です。雑所得が20万円を超える場合は確定申告が必要ですし、ふるさと納税や医療費控除を受ける場合は不動産投資型クラウドファンディングの利益もあわせて確定申告が必要です。課税所得金額が695万円未満の人は、源泉徴収で税金が引かれ過ぎているので、確定申告をすることで還付されます。

対するJ-REITの分配金には「配当所得」として20.315%の税金がかかりますが源泉分離課税です。金融機関で特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、自動的に税金を差し引いて納めてくれるため、確定申告が不要になります。

このように見てみると、不動産投資型クラウドファンディングとJ-REITにはいろいろな違いがあることがわかります。

投資型クラウドファンディングの今後に注目

投資型クラウドファンディングは、どの法律に登録して運営しているかによって、提供できるサービスが異なります。また、ここで紹介したサービスの他にも、複数の法律の登録を受けることで、独自のサービスを展開している運営者もあります。広がりを見せる不動産クラウドファンディング市場、これからも新しいサービスが登場する可能性があります。ぜひ注目しておきましょう。

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

プロフィール

関連記事一覧