コロナ下のイベント中止・延期で経済効果はどうなった? リモートでも経済を回す方法は?

マネーケア

新型コロナウイルス感染拡大防止の影響を受けて、誰もが昨年までのライフスタイルを見直さざるを得なくなりました。そうしたことから、外食産業や観光業界が大きなダメージを受けていることは周知のとおりです。
さらに、さまざまなイベントが中止・延期、規模の縮小といった変更を余儀なくされています。

コロナ禍において、イベント系の経済効果はどのように変わったのでしょうか。
毎年、多くの人が楽しむハロウィン、クリスマスや年末年始はどうなるのでしょうか。

イベント中止・延期の経済効果は3兆円あまりの損失

日本政策投資銀行の調べによると、2020年3月−5月のイベント中止・延期の経済効果はは3兆円あまりの損失とのことです。
逆に考えれば、コロナ禍の前にはそれだけのお金が3カ月だけで動いていたということです。イベント関連は一大産業なんですね。

イベントにもさまざまなものがあります。音楽、演劇、スポーツ、お祭りなどは多くの人にとって馴染みがあるでしょう。経済的損失でまず思うのが、主催者の収入減です。イベントが開催されなければ、入場料やグッズ販売の売上げがなくなり、イベント主催者にはお金が入らなくなります。
すると、アーティストやプレイヤーにもお金が回らなくなってしまいます。

また、イベントの開催にはお金がかかります。資材の購入やレンタル、スタッフの手配などもなくなるため、関連業界にもお金が入りません。
さらに、イベントがあれば、参加するために使うお金として二次的な支出もあります。たとえば、会場までの交通費、宿泊費、食事代など。このようなことに使うお金も、イベントの中止・延期によってまったく動かなくなってしまったのです。

エンタメ関連を見てみましょう。音楽関連では2020年3月は動員500人以上のライブ・コンサートはすべて中止になり、4~5月は小規模でもほとんどのライブ・コンサートが中止・延期になりました。
演劇でも同様です。劇場だけではなく映画館も休館し、新作の公開が延期されたタイトルもありました。
そのため、音楽ライブや演劇などによる経済効果は9048億円の損失と推定されています。

また、自治体などが主催するイベントも中止になりました。○○まつり、○○フェア、といった名称で開催される地元のお祭りは、主催者の儲けよりも、多くの人が参加して楽しんでもらうことが大きな目的です。
開催されれば地域活性化につながりますが、中止・延期により、経済効果は1兆7411億円の損失です。

スポーツでは、多くの公式戦が中止・延期になりました。プロ野球では435試合がなくなり、サッカーのJリーグでは486試合、バスケットボールのBリーグは229試合が中止・延期でした。
その結果、経済効果は合計で2688億円の損失にのぼります。

そしてビジネス関連のイベントも忘れてはなりません。見本市、展示会などが開催されることで、新たなビジネスパートナーとの出会いや、新しい商談、ビジネスチャンスが生まれる機会が得られますが、2020年は大幅に少なくなってしまいました。
また、国際会議がリモート開催されることが多くなり、参加者だけではなく関係者の来日もなくなりました。当然インバウンド消費の減少にもつながります。
ビジネス関連のイベントの経済効果は、1109億円の損失です。

これらを合計すると、経済効果は3兆256億円の損失です。
これだけのお金が支出されず、そのため新たな収入にもならず、3カ月の間動かなかったということなのです。

東京オリンピック・パラリンピックはどうなる?

コロナ禍の影響で、2020年夏に開催予定だった東京オリンピック・パラリンピックは延期になりました。そのため、スポーツ関連業界のみならず、大規模なインバウンド消費を見込んでいた旅行業界や宿泊業界にも大きな影響が出ています。
関西大学の宮本勝浩名誉教授によると、オリンピック・パラリンピックが中止になった時の経済効果は、約4兆5151億円という多大な損失になると予想されています。

しかし、観戦者数を制限するなどして、2021年に簡素化して開催した場合には、経済効果は約1.4兆円の損失になるとの計算です。決して小さくない金額ですが、まったくの中止よりはよい、と考えられるでしょう。
感染対策を十分とったうえでオリンピック・パラリンピックが開催されれば、今後のスポーツ観戦のあり方にも大きな参考となるため、世界にとっても意義のあることと言えます。

ハロウィン、クリスマスはどうなる?

さて、経済効果の高いイベントとしては、10月のハロウィン、12月のクリスマスが毎年ニュースなどでも取り上げられています。
例年、ハロウィンでは仮装パーティーとスイーツ、クリスマスではパーティーとプレゼントが悩ましくも楽しく、お財布のヒモもつい緩むイベントでした。

さまざまな記念日について調査をしている、日本記念日協会の記念日文化研究所の調査によれば、2019年のハロウィンの推計市場規模は、約1155億円。これは、バレンタインデーの約1260億円、母の日の約1205億円につぐ規模です。
多くのホテルやレストラン、カフェでもハロウィンフェアなどを企画しますし、テーマパークや商店街でもハロウィンにちなんだ催しをします。ネット通販でもさまざま集客につながる企画があることも、経済効果が大きなイベントになっている要因でしょう。

クリスマスはさらに経済効果が大きく、約7000億円と言われています。
ハロウィンと同様にホテルやテーマパークでもイベントがあり、各地のイルミネーションは何度行っても飽きないのではないでしょうか。
さらにプレゼントは、家族をはじめとした大切な人に向けたものだけではなく、1年がんばった自分へのプレゼントを考える人もいるでしょう。

しかし、コロナ禍の影響を受けている2020年のハロウィン、そしてクリスマスはどうなるのでしょうか。
飲食店は営業時間の短縮などの自粛が求められてから、なかなか客足が戻っていません。テーマパークなどでのイベントでも、規模の縮小は避けられないでしょう。ハロウィンパーティーはリモート開催になったところも少なくないようです。

クリスマスには少人数でのプチパーティーを考えている人も、今後の感染拡大状況によっては中止、あるいはリモート開催ということもあるかもしれませんね。
2020年は、12月24日のクリスマスイブは木曜日です。コロナ禍でなければ、週末に向けて盛り上がるカレンダーだったな、と残念な気持ちになってしまいます。
2020年のハロウィン、クリスマスとも、経済効果・規模の縮小は避けられないでしょう。

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タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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