気づけば貯金はゼロ…新婚カップルの家計が軌道に乗るまでの失敗談
Episode3.固定費って何?初めて実家を出て生活する新婚夫婦
最後は、結婚を機に初めて実家を出て生活することになったSさん夫婦のエピソードです。
▽Sさん夫婦
夫:27歳(会社員)
妻:25歳(会社員)
貯金額:2人合わせて300万円
月収:2人合わせて45万円(手取り)
お互い社会人になっても実家から通える距離に会社があったため、これまで1度も一人暮らしをしたことがなかったSさん夫婦。結婚を機に初めて親元を離れて生活することになりました。約13万円の賃貸物件を契約し、晴れて新婚生活が始まりました。
結婚して半年が経過し冬を迎えた頃、銀行口座の残高を見て驚愕したのだとか。先月まで4,000円程度だった水道代が、一気に8,000円近くまで上がっていたのです。ガス代も同様に4,000円程度から倍増。電気代も9,000円程度から1.5万円となり、夏の光熱費よりもざっと合計で約1.4万円も高くなっていました。
最初は理由がわからなかったSさん夫妻ですが、すぐに理解しました。光熱費は夏よりも冬の方が高くなりやすいことを、身を持って実感したのです。
・水道代
夏はシャワーのみの入浴だったが、冬になって浴槽にお湯を溜めるようになった
・ガス代
冬になって浴槽にお湯を溜めるようになり、洗い物のときもお湯を使用
・電気代
暖房(エアコン)、ホットカーペット、洗濯が乾かないので乾燥機を使う頻度が増えた
月々の家賃13万円と食費約4万円、さらに冬場は光熱費が3万円オーバー。固定費だけで20万円もかかってしまい、思うように貯金ができない事態になりました。ここで固定費を見直すことにしたSさん夫婦は、次のことを実行しました。
・外食を減らして、食費を月々5,000円節約
・携帯電話を格安のキャリアに変更。2人で月々5,000円節約
・不要な保険、クレジットカードを解約。年間1.5万円節約
・毎月13万円の家賃が負担だったため、次の契約を更新せず引っ越し
「家賃は手取りの30%程度が目安」と一般的に言われますが、Sさん夫婦のように現実的には大きな負担になってしまい、数年で引っ越さなければならない事態にもなりかねません。新生活を始めるときは、月々余裕を持って払える固定費を組み立てておきましょう。まずは、月々どんな項目にいくら支払っているのか、把握するところから始めるといいですよ。
貯まらないのには理由がある!収支のバランスを取ろう
共働き夫婦が多い現代では、結婚すると収入源が2つになるので、手持ちのお金が増えたように錯覚してしまうこともあります。しかし、生活の送り方次第では、収入よりも支出が上回ってしまいかねません。
大切なのは、自分達の収入に見当たった生活を送ること。つい夢見がちな新婚生活ですが、家計は現実的な数字をしっかり把握しておきたいですね。