【2020調査結果】学校教育で金融の勉強は必要?先のことを考える
「moneliy(マネリー)」では金融教育についてのアンケートを実施しました。
今回は「学校教育において金融教育は必要かどうか」に関する回答を分析し、日本の金融教育について考えていきます。
このアンケート調査は株式会社インヴァランスが2020年8月7日から8月27日にかけて、プラットフォームサービス『モニプラ』にて、20代から60代のmoneliyファンユーザー7764名を対象に実施したものです。
回答者の内訳は男性3141名、女性4623名。回答者の年代は50代が最も多く、次いで40代、60代、30代、20代の順でした。
学校で金融教育が必要と感じている人の割合は高い
アンケートの回答から、学校での金融教育の必要性について、回答者の考えを紐解きます。
金融教育が必要と感じている人は全体のなんと9割近く
アンケートでの「学校教育において金融教育は必要かどうか」という問いに、「必要」と回答した人は全体の88%を占めました。実に回答者の9割近くが学校でお金について学ぶ機会の必要性を感じているということになります。
学校で金融教育は必要?
図:筆者作成
学校教育での金融教育はどうなっているのか
日本では、2000年代に入って、文部科学省が学校教育現場での金融教育の促進を要請した背景があります。中学校では社会・家庭分野で、高校では公民科・家庭科において、新学習指導要領の中に金融経済教育に関する記載があり、教育が進められているのが現状です。
しかし、金融広報中央委員会で2019年に実施された「金融リテラシー調査」の結果では、金融教育が必要と考える人のうち、学校で金融教育を受ける機会があったという回答は8.5%だったそうです。金融庁では出張授業や、先生や指導者に対するサポートを行っていますが、学校でのお金に関する教育は十分に浸透していないことが伺えます。
金融庁によると、日本の金融リテラシーの現状は諸外国と比較して高いとはいえない現状なのだそうです。今回のアンケートの回答者の中に学校で金融教育を受けた人はどのくらいいるのでしょうか。次項で詳しく紹介していきます。
日本における学校での金融教育の現状は?
今回マネリーで実施したアンケートでは、金融教育を受けた経験がある人は7764人中2207人で、全体の28%でした。このアンケートでお金について学んだ経験が「ある」と回答した人の学習手段を複数回答可能で調査した結果から、「学校で学んだ」という回答について分析しました。
年代別学習方法の傾向
図:筆者作成
アンケートでは、20代から60代以上、どの年代でも「学校で学んだ」という回答が一定数見られました。
年代別に特色はあるのか、学校で金融教育を受けたと回答した人の割合をみてみましょう。
学校で学んだと回答した人の年代あたりの割合
図:筆者作成
学校で学んだと回答した人の割合が最も高かったのは20代でした。20代と30代で、学校で金融教育を受けた経験がある人の割合を比較すると、10%の差をつけて20代のほうが高くなっています。ほかの年代と比較しても、5%から10%の差をつけて20代の割合が高くなっているのが特徴的です。
これは2000年以降、学校での金融教育が徐々に増えている影響があると考えられます。文部科学省による学校教育現場での金融教育が年を追うごとに現場で定着していることが想像できるのではないでしょうか。
同じく2022年から成人年齢が18歳に引き下げられる予定もあり、若年層でも投資や保険といったお金や将来の資金について決断する機会は増えていきます。お金に関する正しい知識や、自立するためのお金の使い方、資産の形成に向けた投資教育は今後さらに重要になっていくことでしょう。
続いて、機会があれば学びたいと回答した人たちについて、見ていきましょう。