株価はなぜ上下するの?上がる理由と下がる理由
株価が下がるのはどんな時?
夏目「逆に、株価が下がるのはどんな時なんですか?」
福沢「いい質問だね!いくつかあるから説明するね。」
夏目「お願いします!」
1・悪いニュースが出た時
福沢「業績が悪化した、配当金を減額する、会社が不祥事を起こしたといったニュースが出ると、株価は下がるよ。」
夏目「ニュースで聞いたことがあります。」
福沢「しかも業界全体にとって悪いニュースが報道されると、その業界の株価が全体的に下がるから要注意だよ。」
夏目「えっ!業界全体に影響がでることもあるんですか!だったら企業に悪いニュースが出た時、株を持っていたら急いで売りに出さないといけないですね。」
福沢「そうとも限らなくて、逆に『あの企業は業績が悪そうだ』と売られ続けていた場合、悪いニュースが出ると『悪材料が出尽くした』と見られ、買いが入って株価が上がることもあるからね。」
夏目「株価が上がる場合もあるんですね。」
福沢「それとね、もともと『あの企業は今期の業績がすごくいいらしい』と投資家の買いが集中していた場合、実際に業績が良かったというニュースが出ると、『良い材料が出尽くした』と判断されて株価が下がることがあるから、気をつけたほうがいいかもね。」
夏目「直前に買いが集中していた場合は、いいニュースで逆に株価が下がることがあるんですね。うーん、奥が深いです。」
公募増資が発表された時
福沢「『公募増資』が発表された時も株価が下がるよ。」
夏目「『こうぼぞうし』って何ですか?」
福沢「『公募増資』について説明するね。公募増資とは、新しく株を発行することだよ。」
夏目「新しく株を発行すると株価が下がるんですか?」
福沢「そう。公募増資によって市場に出回る株が増えると、1株あたりの価値が薄まって株価が下がるの。ただ、業績と経営方針に問題がなければ、公募増資の時に株を買い増すのも良いかもしれないね。」
夏目「わかりました。覚えておきます。」
株主優待や高配当銘柄は権利落ちで売られることも
福沢「投資家が配当金や株主優待を目当てに買い、権利を受け取った後すぐに売って株価が下がるケースも多いよ。」
夏目「そういったケースがあるんですね。」
福沢「でもこれを利用した投資方法が前回で説明した『先回り投資法』だね。おさらいになるんだけど、夏目ちゃん覚えてる?」
夏目「たしか『高配当』や『株主優待』を受け取る権利がない時に買って、次期の権利を受け取る前に売ることでしたよね。」
福沢「正解!よく覚えていたね。」
日経平均とTOPIXって何?
夏目「よくニュースで『日経平均』や『TOPIX』という言葉を聞きますけど、これって何のことなんですか?」
日経平均とは?
福沢「じゃあ、まず『日経平均』について説明するね。」
夏目「お願いします!」
福沢「日本経済新聞社が東証1部上場の企業の中から、業種に偏りがないようバランスを考えて選んだ225社の平均株価のことで、『日経225』と呼ばれることもあるよ。」
夏目「難しいですね…」
福沢「簡単に言えば、日本の株式市場の元気度を測る指標のことだよ。ちなみに最高値はバブル崩壊の直前、1989年12月29日に付けた3万8,915円で、最安値はリーマンショック後の2008年10月28日に付けた6,994円かな。」
夏目「この『日経平均』に入っている225社って何があるんですか?」
福沢「日経平均に組み入れられている225銘柄の中で、夏目ちゃんが知っていそうなものを紹介するね。」
<代表的な銘柄>
●建設:積水ハウス(1928)
●食品:味の素(2802)
●自動車:トヨタ(7203)
●小売:セブン&アイ・ホールディングス(3382)
夏目「さすがに、そうそうたる顔ぶれですね!225銘柄の動きで日経平均は決まるんですね。」
福沢「そうそう!夏目ちゃんもだんだん理解してきたね!」
TOPIXとは?
夏目「日経平均とTOPIXは、何が違うんですか?」
福沢「日経平均とTOPIXは、対象としている銘柄数が違うんだよ。」
夏目「銘柄の数が違う?詳しく教えてください!」
福沢「さっき説明した通り、日経平均はバランスなどを考慮した225銘柄が対象なんだけど、TOPIXは東証一部に上場しているすべての銘柄(2,000社以上)が対象になっているんだよ。」
夏目「対象になっている銘柄が多いとどうなるんですか?」
福沢「日経平均株価は対象銘柄の株価変動の影響を受けやすいんだけど、TOPIXは1~2銘柄が大きく動いても、あまり影響を受けないことかな。」
株式にはたくさんの市場があることを覚えておこう
夏目「先輩、この前合コンの時、男性陣が『東証一部上場会社に勤めている』と言っていたんですけどこれはどういう意味なんですか?」
福沢「株式市場には、いくつか種類があるの。ちなみに東証というのは『東京証券取引所』の略だよ。」
夏目「ちなみに一部に上場する条件ってあるんですか?」
福沢「それぞれ主な条件を説明していくね!」
1・東証一部
<主な条件>
●株主数が2,200人以上
●株式が2万単位以上流通している
●時価総額が250億円以上
福沢「このような条件をクリアした大企業が上場しているのが、東証一部(東京証券取引所第一部)だね。経営が安定していて、福利厚生も充実している企業が多いのが特徴だよ。」
夏目「どのくらいの会社が東証一部に上場しているんですか?」
福沢「東証一部に上場している企業は約2,160社。夏目ちゃんの合コン相手は、『大企業に勤めている』と言いたかったんじゃないかな。」
夏目「なるほど。他にも東証二部って聞いたことがあるんですけど、東証二部に上場する条件を教えてください。」
2・東証二部
<主な条件>
●株主数が800人以上
●株式が4,000単位以上流通している
●時価総額が20億円以上
福沢「これらが東証二部上場の要件で、中堅クラスの企業が多いのが特徴だね。」
夏目「なるほど。ちなみに二部から下ってあるんですか?」
福沢「マザーズ市場っていうのがあるから説明するね。」
3・マザーズ市場
<主な条件>
●株主数200人以上
●上場時までに500単位以上の公募を行っている
●株式が2,000単位以上流通している
●時価総額が5億円以上であること
福沢「東証一部・二部は成長している大企業や中堅企業が中心だけど、マザーズ市場はこれから成長する『伸びしろ』のある企業が中心になっているよ。」
夏目「伸びしろがある企業に投資するのって夢がありますね!」
福沢「そうだよね。ただ、世界情勢などの影響を受けにくいのが特徴なんだけど、株価が乱高下しやすいから、初心者がマザーズ市場の株を買う時は十分注意しないといけないね。」
夏目「わかりました!気をつけます。」
福沢「最後にジャスダック市場っていうのがあるから説明するね。」
夏目「たくさんあるんですね。お願いします!」
4・ジャスダック市場
<主な条件>
●株主が200人以上
●公募または売出株式数が1,000単位
●時価総額が5億円以上
福沢「ジャスダックにはスタンダードとグロースがあるの。デイトレーダーなど、短期売買を好む人がよく利用する市場だよ。」