株主優待を楽しもう!クロス取引を使って実質ゼロ円で優待ゲット

間違えると損失に!クロス取引の注意点
通常通りに株を買ってから売るのではなく、信用口座を使って売り買いを同時に行っているクロス取引。注意点を理解していないと、反対に損してしまうこともあります。
信用口座の開設
普通の取引では、最初に株を買ってから売ります。しかし、クロス取引には“最初に持っていない株を売ってから買い戻す”必要があります。この取引をするためには、「信用口座」が必要です。信用口座は、証券口座にお金がなくても、保有している株式などを担保にお金を借りることができる口座のこと。
開設には証券会社の審査が必要なので、投資経験がない人などは開設ができない場合もあります。信用口座で取引した場合、自分の実力(資金力)以上のパワーを出せてしまうため、プラスになると大きな利益になりますが、反対に大きくマイナスになることも…。
なるべくリスクを小さくしたい人は、クロス取引で信用口座を使わず”現物買い”のみ行うのが賢いやり方です。私もクロス取引が魅力的だとは思っていますが、信用口座を使うことに不安があるため、現物のみで株主優待をマイペースに楽しんでいますよ。
逆日歩(ぎゃくひぶ)の発生
信用売り制度を使う場合、「逆日歩」が発生します。これは普通のお金の借り入れと同じで、証券会社からお金を借りて株取引をしているため、利子のようなものがつくという意味です。逆日歩の発生は、銘柄によって異なる上に、借りた日数分かかってきます。クロス取引のコストに、逆日歩があることは覚えておいてくださいね。
また、貸してもらえる株の数には限りがあるため、人気の株は権利付き最終日に信用売りが売り切れていることもあります。人気の株を取引したい場合は、権利付き最終日より前にクロス取引をしておく必要があるでしょう。その場合は、より一層逆日歩に注意しておきたいですね。
配当金はもらえない
株主優待と同じく、株主への還元として配当金を支払う企業もたくさんあります。保有しているともらえるため、証券版“預貯金の利息”のようなものといえるでしょう。
しかし、クロス取引では現物買いで配当金を受け取れても、信用売りで配当調整金を払う必要があります。そのため、配当金は実質受け取れないことになっているのです。さらに差額が生じた場合コストになることも……。優待は受け取れても配当金でマイナスになる場合もあるため、慎重に取引したいですね。
クロス取引を利用して賢く株主優待を受けよう!
株主優待を受けるために株が高値なのに購入するのは、損失の恐れもあり躊躇するでしょう。そんな人にぴったりなのがクロス取引です。クロス取引を利用すれば損失をできる限り抑えることができます。
優待銘柄の中には普段の生活にも馴染みがあるものも豊富なので、どんなものがあるのか探してみるだけでもワクワクしますよ。信用口座の注意点を押さえて、無理のない資金管理で楽しく優待生活を送りませんか?
文:marunon
監修:ファイナンシャルプランナー歴5年 北野小百合