お金の価値の今・昔 明治の1円は今だといくら?
消費者物価指数=CPI(Consumer Price Index)
消費者物価指数とは、全国の世帯が購入するモノやサービスの価格の、平均的な変動を測定するもの。ある時点を基準にして、この時と同じモノ・サービスを購入した場合に必要な費用がどのくらい変動しているかを表します。
消費者物価指数は総務省が毎月作成、発表しています。2020年5月分は、2015年が基準です。2015年を100とすると、2020年5月は101.8(総合指数※4) 。5年前と比べて1.8%物価指数が上がっていることがわかります。
長引くデフレ経済の影響などにより物価の上昇幅は小さいものの、やはり物価は高くなっていきます。
消費者物価指数
出典:総務省「2015年基準 消費者物価指数」
細かく見ていくと、総合では101.8ですが、食料費は105.8、そのうち生鮮食品は108.0と高くなっています。毎日の暮らしに欠かせない食品、特に生鮮食品の物価上昇は、家計にダイレクトに響いてしまいます。
逆に低くなったのは教育費の92.7と諸雑費の99.2です。教育費には幼稚園保育料、諸雑費には保育所保育料が含まれており、無償化の影響が大きく出ています。
このように、物価変動の影響は家族構成などによっても変わることに注意が必要です。
※4:総務省統計局「消費者物価指数 全国 2020年5月分」
賢い資産形成は、経済成長に合わせて考える
さて、消費者物価指数をもう一度見てみましょう。
2015年が100、2020年5月が101.8であるということは、単純に考えて2015年に100万円で買えたものが、2020年5月には101万8,000円出さないと買えないということです。
もし、2015年の時点で持っている100万円を、銀行の普通預金口座に預けておいたとしたら、当時の金利0.020%※5で計算すると、5年後には100万1,000円です(税引き前)。これでは、2015年当時よりも、お金の価値が下がってしまいます。
つまり、経済成長に合わせて資産運用をしないと、お金の価値が目減りして、かえって損をしてしまうということ。将来のために貯蓄を頑張ったかいがありませんよね。
せめて年利1.8%で運用しておかないと、同じものは買えません。
普通預金や定期預金の金利はまだまだ低いため、投資信託や株式など、投資を取り入れた資産運用を考える必要があります。
※5:三井住友銀行「円預金金利改定のお知らせ」
まとめ
明治から令和までの約100年で、1円の価値は大きく変わりました。
これからも、お金の価値は変わっていくことでしょう。せっかく貯めたお金の価値を落とさないよう、経済成長に合わせた資産運用を考えてみてはいかがでしょうか。