居心地の良い空間との別れ~気持ちにケリをつけるには?~

映写室ドリアン
居心地の良い空間との別れ~気持ちにケリをつけるには?~
第16話
普段通りの日々が一番プレシャス


本当に良い話を聞けたわ。ほっこりしちゃった。
ぜひ今の日々を謳歌してほしいな。お別れまで、ちゃんと謳歌してください。


そんな彼女に観ていただきたい映画はある?
本当にピッタリの映画があります! 『わたしは光をにぎっている』です。松本穂香っていう、『この世界の片隅に』のドラマ版の主人公を演じてる女優さんが主演なんだよね。田舎から上京してきたんだけど、あんまり周囲の人とコミュニケーションが取れなくて。周りの子たちは都会っ子ばっかりでどうしようってときに、彼女が唯一自分の居場所を見出したのが、小さな商店街にある古い銭湯なの。


ほお!
その銭湯でアルバイトを始めるんだけど、ある日やっぱり、相談者の方と同じようにその銭湯が取り壊されることになるの。


本当に一緒じゃない! 心の拠りどころがなくなっちゃうのね。
そうなの。彼女がどういう風にその銭湯の最後の日までを受け入れていくのかっていう話なんだよね。卒業と一緒だよね。


そうね。期限が決まってるしね。
大人になってからの卒業に対して、彼女が凛としてどう気持ちを作っていくのかっていうのを描いてる作品です。


相談者の方には、まさに観ていただきたい作品ね。
すごい素敵な映画だよ! 今ちょっと悩んでる人とかにも観てもらいたいなって思う。


うんうん。
今の状態で全然良いんだよっていう。普通に過ごす日々が何気に一番楽しいってのがすごいわかるよ。


普段通りの何気ない日々が一番プレシャスだしね。
そうなんですよ。でも別れって必要じゃない。その人の大切さを知るっていうか・・・。


そうね。
その場所の大切さとかがわかるから。別れってすごくつらいからこそ、次に出会う人たちや居場所に対しての愛着も生まれるだろうし。場所も人も同じだよね。


そう思うわ。
その人がいなくなって初めてその人との関係性に気付いたり、その場所がなくなって初めてその場所の大切さに気付いたりね。


それって思い返すと、あまりドラマティックな出来事よりも何気ない日々のほうを思い出したりするんだよね。
そうなんだよ!


何気ない日常を重ねていくのが実は一番難しかったりするわね。でも、それが本当に一番かけがえのないことだったりするから。
そうだよねえ・・・。


なんか図らずも良い話だったわ。
たまには良いじゃない。


たまには良いわよね! いっつも振った振られたの・・・
下世話なね。


下世話な話ばっかりだけど、映写室ドリアンもたまにはハートウォーミングな話もさせていただきます。
ふふふ(笑)。


次回はたぶん下世話です! う~ん、それではまた次回!

監督:中川龍太郎
キャスト:松本穂香、渡辺大知
(C) 2019 WIT STUDIO / Tokyo New Cinema

5 / 5ページ