セルフメディケーション税制、認知度や利用者はどれくらい?
ネットリサーチの「ディムスドライブ」が、2018年2月下旬から3月上旬に「セルフメディケーション税制」について3621人にアンケートを実施したところ、この制度を知っていると答えたのは、34.5%でした。
今回は、お得な制度なのに、まだまだ認知度の低い「セルフメディケーション税制」について説明します。
認知度は低いが、対象になるなら使いたい人が多い
セルフメディケーション税制を「詳しく知っている」「おおよそ知っている」を合わせて34.5%。一方、「まったく知らない」「聞いたことがある程度」は、65.5%となり、セルフメディケーション税制の認知度は低いといえます。
また、この税制の対象となるなら控除を受けるかの質問には、「ぜひ控除を受けたい」「控除を受けるのを検討してもよい」を合わせて56.4%となり、「まったく控除を受けたいと思わない」「あまり控除を受けたいと思わない」の16.4%を大きく上回っています。
認知度は低いけど対象となるなら使いたい、と思っている人が多いという結果になりました。
しかし、実際に対象となる254人への「この税制の申告を行ったか」との質問に、「申告を行った」は23.2%という結果となり、対象になるにも関わらず申告していない人が多いという結果も出ています。
そもそもセルフメディケーション税制とは何か
セルフメディケーション税制は、2017年1月から始まった制度で、「指定した医薬品を購入し、健康にも気を付けている人が、確定申告をすれば、所得税・住民税が控除される」という制度です。
具体的には、以下の3つの条件をクリアすれば1万2,000円を超えた金額が所得控除の対象となります。
・年間1万2000円を超えて「スイッチOTC医薬品」の購入をしていること(所得控除の上限金額は8万8000円)
・「健康の保持増進および疾病の予防への取り組み」を行っていること
・確定申告をすること
なお、スイッチOTC医薬品とは、ドラッグストアなどで購入できる医薬品です。
かぜ薬や胃腸薬、鼻炎用内服薬や痛み止めの貼り薬などが対象で、対象医薬品には、パッケージやお店に提示されています。
本人だけでなく、家族のために購入した医薬品であってもセルフメディケーション税制の対象となります。
健康保持増進・疾病予防の内容は、勤務先の健康診断、インフルエンザの予防注射接種も対象となります。
注意点としては、従来からある「医療費控除」との併用はできません。医療費控除で申請するか、セルフメディケーション税制で申請するかは各自の判断です。
どれくらい節税できるの?
例えば、所得税率10%の会社員で、年間OTC医薬品の購入額合計が5万円だった場合、
所得税(50,000円-12,000円)×10%=3,800円
住民税(50,000円-12,000円)×10%=3,800円
合計 7,600円の節税となります。
節税を受けるためには、確定申告が必要です。
保管しておいたスイッチOTC医薬品の領収書から医療費控除の明細書を作成し、健康増進の取り組みに関する資料を添付して、確定申告書を作成し申告してください。
まとめ
セルフメディケーション税制は国が、医療費の増大に少しでも歯止めをかけるために、個人で健康に気を付けてもらい、医療機関にいく前に早めに指定のお薬を服薬し、治療してほしいという願いからできたものです。
レシートの保管と確定申告だけで減税を受けることが出来るので、やってみてはいかがでしょうか。