これからの日本はどうなるの? 税の学習で知る国の財政

税金

国の財政を家計にたとえると

財務省の財政に関する資料によると、2019年度の一般会計歳入の総額は101兆4,571億円。このうち、租税及び印紙税が62兆4,950億円。公債金が32兆6,605億円。その他は6兆3,016億円です。
参照:財務省「財政に関する資料

一方、一般会計歳出の総額も101兆4,571億円。
このうち、社会保障費に34兆593億円。

地方交付税に15兆9,850億円。
公共事業に6兆9,099億円。
文教及び科学振興に5兆6,025億円。
防衛費に5兆2,574億円。
国債費が23兆5,082億円。
その他は10兆1,347億円です。

イメージがわきにくいので、国の財政を家計にたとえてみました。
100億円=100円とすると、収入総額は101万4,571円。そのうち、給料(租税・印紙税)は62万4,950円、その他の収入は6万3,016円です。
それだけでは足りないので、借金(公債金)を32万6,605円もしています。本当の収入は、給料とその他の収入を足した68万7,966しかありません。

一方支出は、生活費(社会保障費)に34万593円、仕送り(地方交付税=税収の少ない地域に配分)に15万9,850円、家の修理(公共事業)に6万9,099円、教育費(文教・科学振興)に5万6,025円、自宅警備(防衛費)に5万2,574円、その他は10万1,347円。合計で77万9,489円です。
そのうえ、借金返済に、23万5,082円を払っています。

※四捨五入をしているので、合計金額と合わない部分があります。

本来なら、収入の68万7,966円に収まるように家計を考えるところ、支出は77万9,489円。
9万1,523円もの赤字です。
そのため、足りないお金を借金でまかなう羽目に。その借金も、返すお金より借りるお金が多い状況。

もし、FPである筆者のところに家計相談で来られたら、まっさきに、「なんでこうなったの?」と質問します。理由を一緒に探し、急激な変化は続かないので、緩やかにかつ速やかに借金を早期返済する道筋を考えるでしょう。
では、日本の国の財政は今後どのような手立てをとるのでしょうか。

今後、国の財政はどうなる?

高齢化が進む日本。今後も社会保障の増加が見込まれます。ということは、ますます支出が増えていく日本の財政。借金返済は容易ではないでしょう。このままでは将来の世代に大きな負担を残すおそれがあります。
そこで今回の消費税増税です。
加えて、租税負担率と社会保障負担率を合計した「国民負担率」も上昇していく見込みです。

これは、お給料や年金から天引きされる税金と社会保険料が増え、手取りが減るということです。家計にとってはダブルパンチですね。
今後は、働く期間を延ばしたり、家計の見直しをしたり、資産運用を考えるなど、ますます自助努力の必要性が高まります。

まとめ

将来も安心・安全な日本で暮らすために、一人ひとりが国の財政に関心を持つことが大切です。
大人のたしなみとして、税を学ぶ機会をもってみませんか?

辻本 由香

CFP、おふたりさまの暮らしとお金プランナー 企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得るこ...

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