みんなが気になる退職金の金額。いくらもらっている?
大企業と中小企業では退職金は約1000万円の開き
大企業も中小企業も退職金に対する学歴差は、思ったほどないように感じますがいかがでしょうか?
一方、気になるのが、大企業と中小企業との退職金の差です。ざっくりと眺めてみるだけでも、その差には1000万円ほど開きがあることが分かります。
老後のゆとり生活のため、定年退職時までに貯めておきたい金融資産の目安には、さまざまな金額が出ていますが2000万円とも3000万円くらいとも言われています。
仮に60歳で退職金も加味し金融資産残高3000万円を目指す場合、特に中小企業にお勤めの方にとっては、退職後の生活資金作りのための準備着手は、早めにすることの必要性を感じていただけるのではないでしょうか?
お勤め先の退職金制度をご存知ですか?
筆者もFP相談経験から実感していることですが、特に中小企業にお勤めの方に多いのが以下のような方です。
- ご自身がいくら退職金をもらえないのか知らない
- お勤め先に退職金があるのか、ないのか知らない
- 退職金がないと思い込んでいる
前述の退職金事情でもご紹介したとおり、規模の小さな会社でも8割方、退職金制度を導入しています。退職金額は会社、お勤め期間等により異なりますが、退職金がある場合、百万円単位での金額になってくる可能性は大いにありますので、退職後の頼りにしたい生活資金となってきます。
計画性を持って、将来に備えたマネープランをご希望でしたら、ご自身のお勤め先の退職金制度は必ず知っておいておきたい要チェック項目です。
退職金制度の調べ方ですが、会社の人事部や総務部等に聞くのが一番簡単です。
筆者の経験では、退職金の確認をおススメすると聞き辛いと最初は躊躇する方が多いのですが、意外とあっさりと気軽に教えてくれているようです。
多くの中小企業が利用する退職金共済について
会社は退職金支払いをスムーズに行うために、退職金の原資となるお金を準備する必要があります。その準備には大きく2種類の方法がありますが、①社内で積み立てる方法と②退職金共済等を利用して会社とは切り離して積み立てる方法があります。
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(2018年版)」では、退職一時金の支払準備に関する調査結果も公表されています。
退職金支払準備形態で最も多いのが社内準備の64.4%、次いで中小企業退職金共済制度48.5%でした。
中小企業の中には、「退職金制度」という形で退職金支払いを規定していない会社も多いのですが、退職金共済に加入して従業員のために退職金として積立をしている会社は多くあります。退職金共済には何種類かあるのですが、最も利用されているのが中小企業退職金共済(中退共)です。
中退共の加入時は従業員の同意が必要なのですが、毎月の掛金は会社が出して積み立てるので、多くの方が退職時まで、その存在を忘れてしまっていることが多いようです。
中退共は会社が積み立てたお金が、退職時には従業員の請求によって会社を経由せずに、直接支払われる仕組みになっています。
会社が中退共に加入している場合には、退職時に積立金受取の案内はあるかとは思いますが、計画的なマネープランとしては、将来、退職時にどれくらいうけとれるのかを知っておくことは大切なことです。
お勤め先に退職金制度がなくても、退職金共済を利用して従業員の将来生活のために積み立ててくれている可能性はありますのでしっかりと確認しておきましょう。
自分で老後資金準備できるiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)
ご自身の退職金事情が確認でき、その上でも足りない場合には、早めに不足分を補完する準備をスタートさせましょう。
例えば、将来のために月2万円を積み立てていくと10年で240万円、20年で480万円、30年で720万円。早くスタートすれば、その分長く積み立てられるので、大きな資金をつくることができます。
しかし、これは金利0%で考えた場合です。
同じ月2万円で30年間でも、積立投資で2.1%の運用ができれば、30年後には1000万円以上になります。同じ金額でもただ貯金するのではなく、積立投資をすることで未来の資産額には大きな差となります。
また、せっかく運用するなら、おトクな制度を利用しましょう。
iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)なら、積立額が全額所得控除となり所得税・住民税を節税しつつ、運用益が非課税となる税制優遇を受けながら積立投資ができます。
効率的に将来の生活資金準備ができますね。60歳まで積立金を引出せない制限はありますが、積極的に活用いただきたいおススメの制度です。
まとめ
退職金はとても大切な老後の生活資金原資です。筆者は、将来の資金計画のアドバイスを数多くさせていただいていますが、ほとんどの方が、ご自身の退職金がいくらくらいなのか知りませんし、そもそも、有るのか無いのかさえも知りません。
今回のお話がご自身の退職金を知り、老後資金準備のきっかけになれば幸いです。