本当に必要なの?老後のための医療保険について
老後のための医療保険は加入が必要なのでしょうか。若い頃に比べると老後の医療費は多くかかりますので、心配している人も多いです。ここでは、老後の医療費や医療保険に加入する際の注意点などについて紹介します。
傷病手当金や高額療養費について
傷病手当金は、ケガや病気をして4日以上連続で働けない日が続いている場合に、最長1年6ヵ月の間、健康保険から標準報酬月額の3分の2ほどの手当金を受け取ることができます。仮に標準報酬月額が20万円の人であれば13万円程度受け取れます。また、健康保険制度では医療費が一定以上の高額になった場合に、高額療養費制度が適用されるため、青天井に医療費が高くなることはありません。医療費負担額の上限は所得や年齢によって限度額が決められており、限度額を超えた金額に関しては、後ほど戻ってきます(一旦窓口で医療費の支払いは必要です)。直近12ヵ月の間で3ヵ月以上高額療養費に該当する場合は、4ヵ月目以降の自己負担額はさらに軽くなります。
老後の医療費について
老後の医療費はどの程度かかるのでしょうか。厚生労働省の「国民医療費」によると、65歳以上の高齢者の年間医療費は1人あたり約70万円で、月に6万円程度です。しかし、公的医療保険によって自己負担額は少なくて済みます。
医療費の負担割合は70歳未満で3割、70歳以上で1割(現役所得者は3割)です。つまり、1万円の医療費でも、実際の負担額は3割であれば3千円程度、1割であれば1千円程度です。若い頃に比べると高くなりますが、公的医療保険があることから、ものすごく負担額が増えるわけではありません。(参考:http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/37-21.html)
医療保険に加入する際の注意点
老後のために医療保険に加入する際は注意が必要です。
まず、高齢になるほど加入へのハードルが高くなることです。保険料は若いと安く、高齢だと高くなります。また、次々に新しい保険が出てきますので、加入している保障内容が陳腐化する可能性があります。
さらに、インフレのリスクもあります。若いうちに老後のためと医療保険に加入しても、20〜30年後には物価価値が変わっている可能性があります。特に終身医療保険はインフレに弱いですので注意が必要です。また、医療保険への加入は必須ではありません。もし加入するのであれば、若いうちから加入しておくと良いです。
まとめ
老後の医療費は若い頃に比べ多くかかりますが、公的医療保険や傷病手当金や高額療養費もあります。医療保険が必要と考える場合は加入しても良いでしょうし、必ず加入しないといけないものでもありません。