自賠責保険の6,000億円問題とは?そもそも何のお金なのか知ろう

自賠責保険の6,000億円問題とは?そもそも何のお金なのか知ろう
マネーケア

6,000億円が消えたことでどんな問題が起きる?

6,000億円がこのまま返済されないとどんな問題が起きるのでしょうか?

積立金の運用益が減っていく

自動車事故防止の施策などを行う場合、自動車安全特別会計から支払いますが、返済金があれば返済金から使うことが可能です。しかし返済金がなければ、積立金から使う必要があります。

本来は、それが積立金の役割のため、何も問題はないのですが、低金利の状態が長期間続いたために、積立金がほとんど増えることがなく減っていくばかりだったのです。国土交通省の予測だと、2038年度には積立金がほぼなくなると考えられています。

足りないから国民から徴収

以上のことから、国土交通省は、自賠責保険に新たな「賦課金」を設けて、上限150円とする案を提案。これまでの賦課金は32円だったため、大幅な引き上げとなります。

最終的に、2023年4月の契約分からの開始が決定。これによって年間およそ100億円確保される見込みです。名目上は、この引き上げたお金で、減った運用益の補てんをしたり被害者支援を拡充させたりするというわけです。

しかし現状は、事業を継続できるというラインのため、繰入金6,000億円を返済してもらうという根本的な問題解決が必要と言えるでしょう。

まずは計画的な返済案を立てた方が良いのでは……

自動車安全特別会計の支出内容や事業内容の見直しをして、事業が成り立つように自賠責保険の賦課金を引き上げる方法も1つの方法でしょう。たしかに、新型コロナウイルス感染症の蔓延やエネルギー価格の高騰、少子高齢化などによって、国の支出は増えていくばかりです。しかし、消えた6,000億円問題は、もともとは国の赤字を補てんしたために発生したもの。まずは6,000億円をどうやって返済するのか、何年かけて返済するのかをしっかり計画した方が良いのではないでしょうか。

nobii

大学卒業後金融機関に勤務。 現在はライターとして幅広い分野の記事を執筆中。

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