日本と米国株の配当利回りランキング上位10社 米国株の投資だけで良い?

日本と米国株の配当利回りランキング上位10社 米国株の投資だけで良い?
マネーケア

株を保有しているだけで得られる利益といえば、配当金です。近年、FIRE(経済的自立と早期リタイア)のブームもあり、高い配当金がもらえる銘柄が注目されています。そこで今回は、日本株・米国株の「配当利回り」の高い銘柄上位10社をご紹介。合わせて、配当金目的で投資をする際に気をつけたいことも解説していきます。

株価に対する年間の配当金の割合を表す「配当利回り」

株式投資で得られる利益には、株が購入時点より値上がりすることで得られる「値上がり益」、会社が株主に支払う「配当金」、株主へのプレゼントのような「株主優待」の3種類があります。

会社が得た利益の一部を株主に支払うことを配当、配当で支払われるお金を配当金といいます。配当は、日本の会社の場合年1~2回、米国の会社の場合年4回が一般的です(ただし、利益があっても配当を行わない会社もあります)。配当金を手に入れるには、各社の定める「権利確定日」に株を保有している必要があります。

配当金の額や株価は各社さまざまです。それを比較するためにチェックするのが「配当利回り」という指標です。配当利回りは、購入時の株価に対して、1年間にもらえる配当金の金額を表します。計算式で表すと「1株あたりの配当金÷株価×100(%)」となります。配当利回りが高いほど、投資した金額に対して配当金がたくさんもらえることを表します。

日本株・米国株の配当利回りランキングベスト10

日本株・米国株の配当利回りをチェックし、上位10社を並べたのが次の表です。

●配当利回りランキング(日本株・東証上場企業)

配当利回りランキング(日本株・東証上場企業)

2022年6月3日時点 Yahoo!ファイナンスのデータを元に(株)Money&You作成

トップの商船三井は海運大手。鉄鉱石・LNG・自動車など、さまざまな製品を運ぶ船の運行を手がけています。配当金は年2回、権利確定月は3月と9月です。

商船三井の2022年6月3日時点での株価は3,550円。それに対して1株あたりの年間配当金は350円となっているので、配当利回りは350÷3550×100=9.86%となります。

●配当利回りランキング(米国株)

配当利回りランキング(米国株)

上位銘柄の選出は2022年4月末時点、株価・配当利回りは2022年6月3日時点 マネックス証券「配当利回りランキング」より(株)Money&You作成

米国株の配当利回りのトップはアルトリア・グループ。米国のたばこ業界の首位の会社です。配当金は年4回、権利確定月は3月・6月・9月・12月です。

不労所得を増やすために、配当利回りが高い銘柄を買っておけばいい?

銀行にお金を預けても、増える金額はわずかに年0.001%。100万円預けても10円(税引き後8円)しか増えない時代にあって、株式投資ならば年数%もの配当利回りを受け取れるのですから、配当は魅力的です。しかし、ただ単に配当利回りだけを見て買うのは禁物です。なぜなら、業績が悪くても配当を出す会社があるからです。

配当利回りの計算式を思い出してください。「1株あたりの配当金÷株価×100(%)」ですから、会社が1株あたりの配当金を増やす「増配」を行うと、配当利回りは増加します。しかし同時に、株価が下落することでも配当利回りは増加してしまうのです。

業績が悪く、株価が下がっているにもかかわらず、配当を出し続けていると、配当利回りは上昇します。配当利回りが高くなると、投資家たちも「配当利回りが高いからお得だ」と思い、その銘柄を購入するかもしれません。

しかし、配当は会社が得た利益の一部を投資家に支払うものですから、業績が悪いと配当ができなくなっていきます。利益が出せなくなり、いずれ配当を出すことが厳しくなると、配当金の金額を減らす「減配」や配当そのものをやめる「無配」を行います。すると、その後は得られる配当金が少なくなったり、なくなったりしてしまいます。

減配・無配のニュースが報じられると、株価が大きく下落する傾向があります。すると、高い配当金がもらえなくなるうえに、株価の下落による損失まで抱えてしまう可能性があるのです。ですから、配当金目的で投資する場合でも、配当利回りの高さだけをみて投資するのは危険です。

配当金目的で銘柄を選ぶ際には、「業界の将来性」と「業績」をチェックします。将来性の高い業界は今後もニーズが高く成長が見込めますし、業績が右肩上がりならば株価が上がり、配当金を出し続けられるうえ、配当金を増やす増配をする可能性も高まります。

たとえば、医療・健康・ヘルスケア業界や美容業界は、今後も変わらず需要があり続けるでしょう。世界的に高齢化が進んでいるなか「いつまでも元気でいたい」「若々しくいたい」というニーズは、廃れるとは考えにくいでしょう。事実、多くの高齢者が健康や美容にお金を使っています。高齢化が進めば進むほど、需要が増していくでしょう。

また業績面は、企業のIR情報や会社四季報などを見て、過去3〜5年と、将来2期分予想の売上高と営業利益が右肩上がりかどうかをチェックしましょう。売上は会社が商品やサービスを売って得たお金の合計、営業利益は売上を上げるためにかかった費用(売上原価と販管費)を引いた本業の儲けです。これが両方とも年々増えている会社は、本業で稼げる会社ですから、株価も堅調ですし、配当もきちんと出してくれる期待ができます。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

プロフィール

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