日本と米国株の配当利回りランキング上位10社　米国株の投資だけで良い？

2022.06.21

マネーケア

世界トップ企業が集まる、米国株の投資だけでいい？

FIREのブームによって米国株が注目されました。米国は言わずと知れた世界経済の中心。誰もが知っている大企業がたくさんあります。配当金を年４回支払う会社が多い上に、高配当銘柄・連続増配銘柄も多くあります。

米国株は、今後も高い成長が見込め、配当金を出し続けてくれると考えられます。というと、米国株だけ持っていればいいのでは？と思う方もいるかもしれません。しかし、結論からいうとそれはおすすめしません。投資では、資産の分散（分散投資）が大切だからです。分散投資は、値動きの異なる資産に投資することで、リスク（値動き）を抑える投資手法です。

たとえば、株と債券には逆の値動きをする特徴があります。株が値上がりすると債券が値下がりし、債券が値上がりすると株価が下がるのです。こんなとき、両方の資産を買っておくことで、リスクを抑えて堅実に資産を増やすことができるのが、分散投資の考え方です。

株式投資においては、投資先の業種や地域を分散しておくことが大切です。どれかひとつの業種・地域・銘柄に集中投資した場合、その業種・地域・銘柄が値上がりしたときにはいいのですが、逆に値下がりしたときに大きな損失を抱えてしまいます。

現に2022年に入ってから、米国株は下落基調を見せています。今後米国の株価が下落したときに、米国にしか投資していない…となれば、資産が大きく減ってしまう可能性があります。米国株が下落するときには、日本株も値下がりするものですが、「必ずそうなる」と断言できるものでもありません。日本株だけ値上がりすることもあれば、米国株だけ値下がりすることもあるのです。

本稿執筆時点で、日本株は底堅い状況です。主な原因は日本が金融緩和を続けている点です。米国を始め、世界は金融引き締め（金利の利上げ）傾向にある中、日本は緩和（低金利のまま）だからです。こういった各国の金融政策・財政政策が異なることでも株価の値動きは異なってきます。

こんなとき、米国株だけに投資していたら、日本株の値上がりの恩恵を受けることができません。分散投資をしておけば、たとえそのうちのどれかの株価が暴落しても、そのほかのどれかが値上がりするなどして損失をカバーしてくれる可能性があります。もちろん逆に、日本株だけを持っていても日本株の下落で大きく資産を減らす可能性があるのですから、米国株も日本株も、どちらも持っておいたほうがいい、というわけです。

米国株と日本株を同時に保有しておくことは、通貨の分散の面からもメリットがあります。通貨の分散とは、金融商品を複数の通貨で保有することです。

日本と米国の間にも、為替レートの値動きがあります。米ドルと日本円の為替レートは、このところ急激に円安に向かって話題になりました。為替レートには、シーソーのような関係があります。円安になる（円が下落する）ことは、米ドル高になる（米ドルが上昇する）ことと同じです。円から見れば、米国株のような米ドル建ての資産を保有しておけば、円安になるほどに資産が増えていくことになります。