【Z世代のマネー学】資産運用の結果に影響を及ぼす「金融機関選び」

資産運用の結果に影響を及ぼす「金融機関選び」
マネーケア

金融機関を選ぶためにチェックすべき4つのポイント

金融機関を選ぶには、大きく4つのポイントがあります。

自分にあった金融機関選びの4つのポイント

自分にあった金融機関選びの4つのポイント
図:筆者作成

①株式・投資信託の手数料は安いか

株式の売買手数料や投資信託の購入時手数料は、金融機関によって異なります。
基本的にはネット証券やスマホ証券のほうが安く、顧客獲得のために引き下げ合戦を繰り広げているところもあります。ここまでご紹介してきたように、これらは少しでも安いほうが有利です。なお、投資信託の信託報酬や信託財産留保額は、同じ商品であればどこでも同じですので、売買手数料や購入時手数料にこだわりましょう。

②商品のラインナップは幅広いか

投資信託の場合、金融機関ごとに扱っている商品のラインナップが異なります。ネット証券では、数千本もの商品を扱っているところもあります。逆に銀行などでは、数本〜数十本に絞っているところもあります。
どちらがいいかは投資の考え方にもよりますが、「少し投信を買えればいい」というなら絞っているところ、逆に「本格的に投資を進めたい」というならたくさん扱っているところがおすすめです。

③便利なツールを提供しているか

各証券会社、とくにネット証券やスマホ証券では、自社のサービスをより便利に使ってもらうためのツールやアプリを提供しています。
「それらを使って投資ができる」という点では、どれでもそれほど変わらないのですが、証券会社や銀行によって、見た目や使いやすさが異なります。個人差もあるので、できれば複数の口座を開設し、実際に使ってみるのがいちばんです。なお、証券会社への口座開設は無料でできます。

④サービスがいいか

その他、便利・お得なサービスを展開している金融機関もあります。
わからないことがあったときに、店頭で相談できれば確かに心強いのですが、それができなくても、ホームページの説明やFAQ(よくある質問)などが充実していれば、自分で解決できる可能性が高まります。また、コールセンターの体制もチェック。土日祝日や夜などでも電話で質問ができれば、平日日中は仕事という人でも便利です。

投資によってポイントが貯まる仕組みがあれば、お金だけでなくポイントも増えていきます。スイープサービス(銀行口座と証券口座の連携サービス)があれば、証券口座にお金を入金する手間も省けます。
さらに、投資の情報を発信するセミナー・動画・ニュースサイトなどが充実していれば、投資の理解が深まり、お金を増やすのにも役立つことでしょう。

これらも③同様、個人の好みが分かれる要素ですので、実際に試してみるのがもっともいいでしょう。楽天証券・SBI証券・マネックス証券といった大手ネット証券であれば、これらはどれも揃っていますので、見比べてみるのもいいでしょう。

口座の種類、どっちがいい?

金融機関に口座開設する方が迷うポイントに、特定口座と一般口座があります。

特定口座と一般口座

特定口座と一般口座
図:筆者作成

投資をするにあたって、証券会社では「証券口座」、銀行の場合は「投資信託口座」を開設する必要があります。これらには、大きくわけて特定口座一般口座があります。

特定口座は、毎年納める税金の計算を金融機関がしてくれる口座です。さらに「源泉徴収あり」を選ぶと、金融機関が税金を納めてくれます。「源泉徴収なし」を選ぶと、自分で確定申告をして、税金を納める必要があります。

それに対して、一般口座は、毎年納める税金の計算も自分でする必要がある口座です。

現状で、一般口座を選ぶメリットはとくにありません。手間を省きたい方は「特定口座」の「源泉徴収あり」を選んでおけばいいでしょう。ただ、源泉徴収ありを選ぶと、1年間の利益が20万円以下の場合にも税金を納めてしまいます。これを防ぎたいのであれば、「源泉徴収なし」を選ぶのもひとつの手です。

また、投資で得られた配当金や分配金の受け取りには

①配当金領収証方式(ゆうちょ銀行などで受け取る)
②株式数比例配分方式(証券口座で受け取る)
③登録配当金受領口座方式・④個別銘柄指定方式(どちらも、銀行口座で受け取る)

の4つの方式があります。
このうち、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)で得られる配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」を選ぶ必要があるので、忘れずに選んでおきましょう。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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